【連載】目指せ管理職 選考試験を突破しようⅢ 第5回 教職員を育てる=人材育成への取り組み

教育新聞 教育管理職研究会 編

 

〇最も重要な仕事として

人材の育成は、管理職の最も重要な仕事である。適切な学校運営や教育の充実は優れた人材なしには実現できない。学校には各年齢層の教職員がいる。いま、大きな課題になっているのは、各職層に応じて求められる資質・能力を明確にし、意図的・計画的に人材育成を図ることである。そして、それらの人材が、教育活動の充実や組織をリードでき、最終的には学校運営を任せられる存在として成長することにある。管理職は、工夫した育成プログラムをもち、部下を育てることに全力を注ぐべきである。

〇「教職員は現場で育つ」との理念を共有する

教職員としての成長は、一義的には自己研鑽や研修による。しかし、その努力が学校にとって、あるいは管理職が期待する人材育成とマッチングしたとき、その効果はより有用なものとなる。人材育成にとって、まず、「教職員は現場で育つ」「仕事を通して学ぶ」との認識を管理職と教職員が共有することが大事だ。教育センター等での研修は大事であり、現場の仕事を通した研修を検証し、新しい情報に触れてさらに深めるなど日頃の研修を支えるもので、それらと組み合わせていく必要がある。管理職は、教職員の人材育成を「外部研修だけに委ねていないか」振り返ってみる必要があろう。

〇管理職は育成の仕組みをつくる

(1)各職層段階で獲得すべき能力を明確にする

一般的に、教職員に求められる力は、学習指導力、生徒指導力、コミュニケーション能力や外部との連携・折衝力、組織運営力などがあげられよう。しかし、重視したいのは、学校運営に必要な、教諭、主任教諭、指導教諭、主幹教諭の各職層段階に求められる能力を明確にし、キャリアアップさせることにある。

各段階で求められる主要なものは、次のようなものであろう。

▽教諭=「学習状況を評価し、授業計画を立て、授業が行える。児童生徒を理解し、適切に指導できる」「組織の一員として校務に積極的に参加できる」
▽主任教諭=「授業改善の課題と改善策を提案できる」「担当分掌について他の教員に指導したり学校の課題を管理職に提起したりできる」
▽指導教諭=「授業分析力があり、教材開発や他の教員の授業を指導することができる」「児童生徒の自己実現に向けた指導計画・実施ができる」
▽主幹教諭=「学習や生徒指導上の課題や改善策を管理職に提案できる」「各種指導計画が作成でき、計画の実施について指示できる」「外部折衝力、分掌間の調整、指導・指示ができる」

(2)育成方法を練る

[有効な個々への直接指導]

▽場面での直接指導=個々の教職員の日々の学習、生活、分掌の仕事への取り組みの様子から職に応じて直接に指導・助言する。なにげない会話も大事な指導と心得たい。
▽人事評価制度の活用=個々のキャリアを振り返り、今後の成長に必要とされる能力開発を行う。その際の目標設定や自己評価に関して管理職の指導・助言なしには効果的な人材育成に結びつかない。個々に寄り添い、この制度を有効に活用したいものである。
▽教育機関の活用=教育センター等の職層別研修を活用する。年度当初から職に応じ、個々の教職員の課題により、各機関の研修への参加を個々の研修計画に位置づける。これは管理職が意図的に指導・指示しないと当該職員からの自主的な申し出を待っていては時機を逸してしまうことになりかねない。

[計画的・継続的な育成のしくみを活用する]

OJT(On the Job Training)の手法は先進的に各地で取り組まれている。

これらを参考に人事評価制度等と併用して自校なりの「育成の仕組み」「推進体制づくり」を構築したい。副校長(教頭)などと協働で、主幹教諭や指導教諭の位置づけ・役割を発揮させながら構築したい。

これら以外に、「個々への面接指導・個々の学びの時間の確保」「個々のモチベーションをどう高め、持続させるか」などにも配慮が必要である。