【連載】学校教育相談の歩みと展開 第10回 問題行動の陰に子どもの姿

函館大谷短期大学名誉教授 保坂武道

問題行動の陰には、子どもたちのさまざまな姿がある。特徴的なところをまとめると――。

反社会的問題行動からは、▽スリルを求めて現実から逃避する▽行為に対する罪の意識がない▽非行仲間との誤った連帯感▽自分さえよければよいとする態度▽物を大切にしない▽人への思いやりに欠ける。

非社会的問題行動からは、▽仲間にとけこめない▽上手にやれない▽特に異質の存在に弱い。

無気力、無関心などのアパシーの子からは、▽やる気がない▽口をきかない▽聞く耳を持たない▽社会的な接触をさける▽目標に立ち向かわない。

さらに、社会の変容や家庭の在り方、親子の問題性などが浮き彫りになる。その特徴は――。

▽核家族化が進み、子どもの数が減少し、親の子にかける期待が増大。過保謹・過干渉傾向が強い▽忍耐力=不満などに耐えるカが育っていない▽協調心=人間関係が十分に開かれていない▽自信喪失=少しの失敗やつまずきを嫌う▽心の居場所・安心できる場=心のよりどころを求めている▽三離四走=親・学校・友人の3つから離れ、たばこ、バイク、セックス、薬物の4つに走る。

■低学年児童による暴力行為が増加

文科省の平成26年度「児童生徒の問題行動等児童生徒指導上の諸問題に関する調査」によると、暴力行為の発生件数は5万4242件(前年度5万9345件)。小学校で1万1468件(前年度1万896件)、中学校3万5683件(前年度4万246件)、高校7091件(前年度8203件)。小学校で前年度よりも増加しており、しかも低学年での増加が目立っていた。

様態別では、対教師8835件(前年度9743件)、生徒間3万2423件(前年度3万4557件)、対人1452件(前年度1581件)、器物損壊1万1532件(前年度1万3464件)。

暴力行為によって被害者が病院で治療した場合の件数は、対教師1681件(発生件数に対する割合は19.0%、前年度2036件)、生徒間6751件(同20.8%、前年度7857件)、対人399件(同27.5%、前年度412件)。合わせて8831件(同20.7%、前年度1万305件)。

加害児童生徒は、小学校1万808人(前年度1万356人)、中学校3万5623人(前年度3万9366人)、高校8485人(前年度1万110人)の合計5万4916人(前年度5万9832人)。

■いじめの認知

26年度の「児童生徒の問題行動調査」では、文科省がいじめ認知件数に関する再調査を実施した。同調査実施中にいじめによる重篤な事案が発生していたにもかかわらず(岩手県矢巾町の男子生徒の自殺)、それが地方教委による集計に入っておらず、全体の集計にも反映していなかったからだ。

再調査によって明らかになった認知件数は18万8057件。調査のやり直し前の結果に比べて約3万件増加していた。

これは、いじめを認知した件数であり発生件数でないところがポイントだ。だが、いじめを見て取る教員側の目や感度が、やはり大切である。そこには、教育カウンセリングの視点が重要となる点を強調しておきたい。

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