【連載】目指せ管理職 選考試験を突破しようⅢ 第6回 教職員を育てる=学校運営のカギは中堅の成長

○やる気を引き出し成長につなげる

学校が使命を果たし、さまざまな課題に対応するために、学校全体の教育力の向上が求められる。そのためには、成長期にある中堅層教員が学校力を向上せる中核となるような校内体制をつくりたい。中堅教員は、若手教員には身近なよい見本や目標となり、ベテラン教員にはよい刺激を与える貴重な存在である。したがって、中堅にあたる教員にとって「マンネリ化・硬直化し、現状に満足してしまう時期ではなく、充実してミドルリーダーへの発展の時期」となるようにすべきである。

校長として次の世代を考えて、どのようにして中堅教員のやる気を引き出し、よりよい教員に成長させていったらよいかを考えてみる。

○力が発揮できる校務分掌に位置づける

中堅教員は、さまざまな経験を積み、得意とする分野ができ、それなりに職務に対する自信をもっている。校長は中堅教員を「適材適所」に配置し、本人が意欲をもって働ける場を与え、その職務に従事させることにより資質を向上させていくことを考えなくてはならない。分掌への人の配置を考えるにあたっては、本人の意向、副校長(教頭)の考えを含め、熟慮の上で決定する。得意分野が、教科指導、生徒指導、道徳教育等なのか、または研究心や人を動かす能力に優れているなどを把握して、その力を発揮できる校務分掌に位置づけて、企画、運営等を任せてみたい。校長の意図するところをくみ取り、責任をもって成し遂げさせる。こうした実践を通したり、後輩の教員を指導したりするなかで、リーダーとして備えるべき能力や学校運営への参画意欲も育ってくるものと考える。

当然のことであるが、校長としては、常にコミュニケーションをとり、適宜・適切な指導・助言等を行わなくてはならない。

○新しい分野に挑戦させる

本人の了解のもとに、思い切って教員の得意分野以外の校務分掌に抜擢して挑戦させることも必要なことである。何年も同じ校務分掌を担当し、惰性に流されないようにするためにも、今までと違う仕事に挑戦させ、教師力向上や将来のリーダー育成につなげるようにしたい。

例えば、中堅教員を若手教員のOJTへの取り組みやチームでの研究の推進リーダー、あるいはメンターとしての役割を発揮させる場を設けるなど、新しい試みも積極的に行いたい。そして、それらの企画、運営等を全面的に任せてみたらどうだろう。後輩の教員を指導するなかで、指導力が育ち、リーダーとしての意識が高まり、学校運営の参画意欲も育ってくるものと考える。新しいことにチャレンジさせ、キャリア・アップを図る、そうした大胆な育成方策を考えることも校長の職務である。

○成長しようとする職場の雰囲気をつくる

校長は、職員の輪のなかに入り、気軽に話し合い、教育の夢を語り合い、多様な教育課題について自由に話し合える職場の雰囲気をつくらなくてはならない。この雰囲気のなかから、お互いに切磋琢磨し、学び合い、支え合い、喜びや悩みを共有でき、成長のための環境が出来上がる。この点での中堅層の前向きな姿勢・態度は校内の雰囲気を大きく左右する。もちろん、その前提には、教員間に、「指導する。指導される」という信頼感や緊張感が醸成されなくてはならない。主幹教諭や指導教諭とともに、中堅および全教員に「お互いに高め合う学校づくり」の実現に向け、積極的に指導力を発揮したい。
また校長は、できるだけ時間をとって、教員の悩み等を聞き、相談に乗り、適切な指導や助言をして、全面的に支援することが大切だ。自分の教育理念や学校運営方針を繰り返し話し、理解させ、学校運営の重要な役割を担っている教員であることを自覚させていきたい。校長の「育てようとする熱意」が当該教員の取り組み意欲を高め、成長を促す大事な要因となる。

こうした、校内での職務を通した成長への取り組みとともに、できる限り教育センター等の外部の研修会に計画的に参加させて、育成を図ることが必要である。