【連載】次期学習指導要領改訂への期待 3 教師のレベルアップに期待する

教育新聞論説委員 寺崎千秋

 

現行の学習指導要領を読み、これに基づく教科書をみると、義務教育修了時の知識・理解のレベルが高いのを実感する。また求めている思考力・判断力・表現力も同様である。

次期に向けた改訂では、さらに、社会や世界に向き合い関わり合い、自らの人生を切り開いていくために必要な資質・能力を身に付けさせることが求められている。どのような資質・能力かはこれから具体化されるが、知識・理解を教えるだけではなく資質・能力を身に付けさせる力量が求められ、教師もレベルを上げないと指導できない事態になる。

しかしながら、資質・能力については現行の学習指導要領でも、総則や各教科等に示されている。したがって、それらを再度確認し、次の視点から取り組むことが必要である。

1.アクティブ・ラーニングの指導ができるか

アクティブ・ラーニングについては、すでに多くの図書が発刊され、先行的な研究や実践が報告されたり発表されたりしている。

繰り返していうが、アクティブ・ラーニングの指導は、基礎的・基本的な知識・技能を活用する学習、体験的な学習、基礎的・基本的な知識・技能を活用する問題解決的な学習、言語活動の充実、自発的・自主的な学習、学習の見通しと振り返りの重視、探究的な学習、協同的な学習等々、現行の学習指導要領でも重視しているところである。各学校は本来これらを教育課程に位置づけて実施しているはずなのである。

しかし、諸調査によれば、これらの指導はかならずしも十分ではないという報告がされており、今後研修が一層必要との声が多い。今一度、これらの研修をしっかりと行い、教育課程・指導計画に基づいて着実に指導ができるようにすることが求められる。また指導方法の不断の見直しの視点として「深い学び」「対話的な学び」「主体的な学び」が示されており、今後これらの視点から指導方法を改善していくことが求められる。

以上から、アクティブ・ラーニングの指導ができる教師になることを期待する。

2.カリキュラム・マネジメントができるか

カリキュラム・マネジメントの3つの側面で特に重視している「各教科等の教育内容を相互の関係で捉え、学校の教育目標を踏まえた教科横断的な視点で、その目標の達成に必要な教育の内容を組織的に配列していくこと」が全ての教員にできるかである。

学校の教育課程はその学校の教員等が校長中心に総力を挙げて編成し、実施するものである。したがって、ただ教科等の内容をそれぞれに並べて終わることではない。学校の教育目標の実現に資するように配列する、各教科等の内容を十分理解するとともに、それらの相互の関係を正しく把握する、教科横断的に組織的に配列するということである。さらにこれを確実に実践できることが求められる。

以上を踏まえ、学習指導要領の全ての内容をしっかりと把握し、カリキュラム・マネジメントのできる教師になることを期待する。

3.チーム学校の一員としての働きができるか

チーム学校とは、校長のリーダーシップの下、カリキュラム、日々の教育活動、学校の資源が一体的にマネジメントされ、教職員や学校内の人材が、それぞれの専門性を生かして能力を発揮し、子どもたちに必要な資質・能力を身に付けさせることができる学校である。かつての学級・学年王国、個業の営みから協働による組織的な学校経営・運営が求められ、教員だけでなく、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等々のさまざまな立場の職員とともに、子どもと向き合う学校づくりをすることである。

一人ひとりの教員がチーム学校の一員としての自覚のもとに自らの役割と責任を果たし、学校経営に参画することである。チーム学校の一員としての働きのできる教師になることを期待する。

(寺崎論説委員によるこの稿は了)

関連記事