東京23区に児相設置認められる 心理専門職設置を義務に

児童福祉法の改正で
来年4月の施行後5年めどに

子どもへの虐待防止策を強化する改正児童福祉法が5月27日、参議院本会議で、全会一致で可決、成立した(衆議院先議)。施行は来年4月から。これまで都道府県と政令指定都市に設置されてきた児童相談所について、新たに東京23区での設置が認められた。児童虐待に対応する体制の整備と拡充を図る。

児相は、平成27年度現在で、全国に208カ所ある。都道府県と政令指定都市に設置が義務付けられている。人口20万人以上の中核市にも設置が認められているが、人件費や施設設備費など、費用面への不安から2カ所に留まっているのが現状だ。

改正法では、施行後5年をめどに、新たに23区で児相を設置できるほか、全ての中核市が設置できるよう、政府が支援を講じることとした。

また児相の体制強化を目指し、児童福祉司の研修受講を義務化。各児相には、精神保健に関する学識経験のある医師や心理の専門職などの配置を義務付けた。法律の知識と運用経験を要する案件に、適切で円滑に対応するために、都道府県の児相に弁護士を配置することも明記した。

改正法は、一部を除き、来年4月に施行される。
児相が対応した児童虐待の件数は、26年度で8万8931件。21年度は4万4211件で、5年間のうちに倍増している。

その一方で、児相の設置数は5年間でほぼ横ばい状態であり、急増する相談件数に、児相の数が追い付いていないのが現状だ。

こうした状況の中で、児相の設置数が増えていけば、▽専門スタッフの確保をどうするか▽専門スタッフをスーパーバイズする人材をどう確保するか▽設置・運用予算をどう捻出するか――などの問題がある。

児相と学校連携密に
児童生徒観察が大切

学校と教員には、(1)児童虐待の早期発見に関する努力義務(2)児童虐待発見時の児相への通告義務――が課せられている。これらを果たす上で、改正児童福祉法施行によって、学校により近い場所に児相が存在するようになり、連携や相談などは、これまでよりも密にできそうだ。

虐待事案が増えている中で、教員は、授業中や休み時間中などでの普段からの児童生徒観察、健康診断時の所見などについて、常に注意を払いたい。

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