【連載】目指せ管理職 選考試験を突破しようⅢ 第7回 教職員を育てる

指導不適切教員への対応
〇指導力が不足している教員

学校教育が直面しているいじめや不登校、基礎学力の向上などの課題に対応するには、教員の資質能力が前提となる。教育者には使命感、教育的愛情、専門的知識や広く豊かな教養および教育的実践力が求められる。しかし、一部に児童生徒の心が理解できない教員や専門的知識が不足し、適切な学習指導ができなかったり、信頼関係を築けなかったりする教員の存在が指摘されている。

○当該教員を把握する

「学習指導」の面では、専門的知識が不足し、児童生徒の質問に適切に対応できなかったり、指導方法が未熟で児童生徒の実態に応じた指導ができなかったりする。

「学級経営」では、児童生徒の掌握ができず、規律ある集団づくりができないなど学級活動に支障をきたしたり、保護者や他の教員との連携がとれず、学級崩壊させたりしてしまう。

「生徒指導」では、児童生徒の問題行動等に適切に対応できず、教員としての自覚の欠如等から問題行動を放置してしまう。

主としてこうした視点から、本人と話す・聞く、実際の指導場面を見るなどして、つぶさに観察し、本人の実情を把握することに努めたい。どんな力が不足しているのかを見極めるのが大事である。

したがって、その際、その後の指導に役立てるためにも、本人とのやりとりや様子などについて正確に記録しておくことが大事である。

○当該教員への対応

このような教員に対して、現状では校長、副校長(教頭)による指導や校務分掌の軽減など、各学校が教育委員会と協議し、指導を受けながら個々に対応している。しかし、必ずしも十分な成果が上がっているとはいえない。

校長・副校長(教頭)としては、各都道府県に、文部科学省の示したガイドラインを受けて、指導が不適切と認定された教員に対する研修制度や人事管理システム等があるので、これらを活用するなど総合的な取り組みが必要である。

具体的な対応としては、次のような点に留意したい。
▽児童生徒への指導に課題のある教員は、それまで指導を十分に受けてこられなかった場合が多い。校長を中心に直接指導を十分に行う。「組織的に対応する」のは大事だが、教頭や主任に任せきってしまう案件では決してない。

▽「児童生徒の指導に問題がある」「授業が成立していない」等の情報や「気になる教員」に気付いたときは時機を逸せずに手立てを講じたい。早めの取り組みが、良い対応と結果を生むのを心に留めておきたい。

▽校長等の指導とともに大事なのは、同僚教員の温かい見守りや助言・励ましなどである。そのために、他の教員に当該教員への特別な指導について理解させておきたい。

▽当該教員とのコミュニケーションを心がけ、その教員の良さを見いだし、課題については指摘・克服するための指導を繰り返すことを大切にしたい。

▽当該教員自身に、指導が不適切であると自覚させることがなによりも大事である。このため場合によっては、客観的な立場から指摘・指導してもらうために、担当の指導主事等と連携した取り組み等も視野に入れておく。

校長は学校経営のトップとして、児童生徒の成長と発達について理解し、悩みや思いを受けとめ、支援できる教員を育てる責務を持っている。基本的には、教員の育成は校長を中心とした指導が第一である。しかし、校内での指導では当該教員の改善は難しいと判断したときには、ためらわず、設置者である教育委員会に相談・協議して対応するのが重要である。その上で、教育センターでの研修を課すなど、適切な措置を講じ、本人が課題を克服し、自信を持ち、児童生徒からの信頼を得て職務を果たせるようにする。

なお児童生徒への指導が成立しない教員として、指導が不適切な教員とは別に、精神疾患によるものや教員として適格性を欠く場合もある。それらをしっかりと見分けること。その場合は、規則に則り、健康審査会や人事上の措置によることとなるので、留意しておきたい。

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