【連載】学校教育相談の歩みと展開 第11回 ガイダンス機能で生き方を

函館大谷短期大学名誉教授 保坂武道

 

■非行に走らせない子育て・生徒指導のポイント
(1)その子の持ち味を見いだし、それを生かす。
(2)価値の高いものに向かわせる果てしない夢を持ち、実現に向けて努力するよう、勇気づける。
(3)自分にふさわしい生き方があることに気付かせる。
(4)自尊感情や自己の存在感の低さから非行に向かう場合が多いので、自尊感情を育てて高める。そのために、自他の違いを味わわせるのも大切だ。
(5)良好な人間関係を構築させ、友人を得させる。
■疾病(病態)・障害の一般的理解と行動特性など

▽精神障害=精神分裂病・うつ病・神経症・恐怖症・脅迫神経症・ヒステリー・神経衰弱・心気症など。(「うつ病」と「双極性障害=躁うつ病」は現在、「気分障害」と総称されている)

▽心身症=過呼吸・過敏性腸症候群・円形脱毛症・自立神経失調症・起立性調節障害・偏頭痛・神経性習癖・夜驚・チック・爪かみ・夜尿・緘黙・摂食障害・過食症など

▽心身障害=学業遅進児・学業不振児・学習障害児・ADHD児・自閉症児・心身障害児・視覚障害児・聴覚障害児・知的障害児・肢体不自由児・病弱虚弱児・言語障害児・重複障害児・ダウン症候群など(学習障害(LD)、ADHD、自閉症などは、大脳の微細な障害が原因ともされているが、まだ詳細には解明されていない)。

▽その他=喘息・アトピー性皮膚炎・乗り物酔い・多動・てんかん・食物アレルギー・十二指腸潰瘍・小児生活習慣病・川崎病・低血糖症・PTSD・燃え尽き症候群・人格障害・行為障害・自傷行為・抜毛症・虚言症・二重人格など。

引きこもりやいじめ、犯罪少年、触法少年、虞犯少年、非行少年、要保護少年などの中には、これらの疾患や障害が影響しているケースもあるので、専門医からの診断が、ときには重要なカギを握る。また「障害」とは、ある行動特性などが通常の日常生活を営むのを困難にする程度にまで高まっている状態をいう。早合点して「〇〇障害」として接するのは、よい接し方ではない。

■学校教育相談の課題

(1)学校教育相談の課題=教育カウンセリングの導入・活用

▽積極的な生徒指導の推進とともに、予防開発的な学校教育相談の推進が求められる。▽学校における開発的・予防的教育相談の推進は、ガイダンス機能の充実と深く関わってくる。▽中学校、高校の学習指導要領には、総則の中に「ガイダンス機能」が明記されている。▽それは、進路、生き方、適応の指導である。▽これによく似た概念に「育てるカウンセリング」がある。國分康孝NPO日本教育カウンセラー協会会長が指摘する5つの技法を、学校教育相談においても機能させることが重要になってくる。

■発達課題と成長に向けた援助

発達課題を克服しながら成長に役立つよう、次のような援助をする。

(1)学業=これが基礎。つまずくと不登校の要因になったり、非行に向かうきっかけになったりする場合がある。
(2)人生設計=キャリア教育に位置づける。単なる職業選びではなく、自分とは何か、自分はどう生きるのかが重要。
(3)自立=分離不安に耐える力を養う。卒業は一種の分離不安のときであり、さらには、愛する家族のもとを離れるなどのときも、分離不安に耐える力が問われる。
(4)人間関係=感情面の暴走を乗り越え自分の役割を見いだしていく。
(5)健康=心身の健康の基をつくる。健康保持・増進の習慣化が大切。
(6)グループ・組織=グループ・組織の中にはルールがあり、社会的な存在として、その中で一定の役割を果たす責任がある。