【連載】学校経営“旬”の課題「教職研修」岡本編集長の3分解説 第2回 ファシリテーションとは

これまで教師には、教科書の内容や教師の知識を、いかに子どもに詰め込むかが問われていました。

子どもの側からいえば、「教師から要領よく詰め込まれる能力」です。その能力を持った子どもは、学校で評価され、偏差値の高い上位校に進学、大企業に就職して一生の安泰が約束されていました。

しかし、人口減少、グローバル化、ICT化が進む昨今、大企業でもいつ倒産するかわからない時代に、ただ人から言われたことを的確にこなすだけでは、生き残れません。社会に出てゆく子どもたちに、「自分の頭で、自主的に考える力」が、切実に求められているのです。

そのために昨今提唱されているのが、アクティブ・ラーニングです。この学びにおいて教師に求められる役割が、ファシリテーターです。

ファシリテーターは、人と人が質の高い関係性を持ち、学び合う場をつくって思考の質を高め、成果の質を高めていきます。これを、ファシリテーションと呼びます。m20160714_02

クラスで、質の高い関係性のなかで、子どもが自分の意見を恐れずに言えるようになる――。これがアクティブ・ラーニングの第一歩です。
さらに、ファシリテーションは、日本の学校教育の一番の課題である子どもの「自己肯定感」や「自主性」の希薄さに対しても有効です。

そもそも、自分の意見を言う機会のない、持つ必要すらない「詰め込まれる授業」で、子どもの自主性が育まれないのは道理です。

ファシリテーションの場で、人と人のよりよい関係のなかで、人は自分の発言が他者に受け止められるという経験を積むことで、「言っていいんだ」という自己肯定感、「もっと言いたい」という自主性が育まれるのです。

これは、子どもだけでなく、大人=教員にもいえます。多忙で支え合う機会のない職場で、精神性疾患による休職が増えています。自己肯定感に欠け、自主性のない教員とふれあう子どもたちに、それらが育まれるワケがありません。

校長先生、教頭・副校長先生が、ファシリテーターとして、学校職員相互の関係を重視し、発言を促し、意欲を高めていくことが求められます。

【岡本淳之】

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【『教職研修』8月号のヘッドライン】巻頭インタビューは、工学院大学附属中学校の高橋一也教頭。グローバルティーチャー賞トップ10に日本人初選出。特集1はファシリテーション力、特集2は熊本地震に学ぶ学校の震災への備えと対応です。