【連載】目指せ管理職 選考試験を突破しようⅢ 第12回 規律ある不安のない学校づくり その1

教育新聞 教育管理職研究会編

 

教職員の身分と服務を再認識
○教育公務員としての自覚

教員に求められるものは、子どもたちにとって楽しく分かりやすい授業を行うための授業力や、安心して学校生活を送れるための専門的な指導力である。その前提条件として、すべての教員が「教育公務員」としての自覚と使命感をもって、業務にあたることが必要である。

しかし、「教員の常識、社会の非常識」とやゆされたり、法に抵触することも含めて教員の不祥事が後を絶たない現状がある。
管理職は「当然分かっていること」と油断せず、常に「教育公務員」であるのを自覚させ、「教員としての身分」や「全体の奉仕者たる教員の立場」を再認識させ、常にそれらを念頭に置くように、働きかけていくことが必要不可欠である。

○教員としての身分を再認識させる

教員は、「地方公務員法」の適用を受けるとともに、その職責の特異性から「教育公務員特例法」の規定に基づき、身分の保障がされている。これは、教員としての確固たる立場を規定していることであり、他の公務員とは異なる扱いを受けている点からも明確である。それゆえ管理職は、教員に対して、「法を理解し、法の規定を常に念頭に置きながら、自分を律し、全体の奉仕者としてその職務に専念する義務があること」を、常に意識できるように指導していくことが大切である。

○公務員としての服務の基準を再認識させる

教職員は地方公務員であることから、「服務の宣誓」や「上司の職務上の命令に従う義務」「職務に専念する義務」が基準としてある。さらに、「信用失墜行為の禁止」や「秘密を守る義務」「政治的行為の制限」「争議行為の禁止」「営利企業等の従事制限」などの職務遂行上の義務を負っている。

このように細かな規定や制限があるということが、教職員が「全体の奉仕者」たるゆえんであると、管理職は全体の場での話や個々への指導を通して、常に意識させて業務にあたらせるのが大切である。

○服務の厳正を日々具体的に順守させる

教職員は、勤務に従事する場合、その服務に関して細かなきまり(服務規程)が定められている。これは労働基準法等に基づき、働くものの権利と義務を規定するとともに、管理職による適正な服務の管理がしっかりとなされるためのものである。それゆえ、管理職が服務規程の内容をしっかりと熟知するのはいうまでもないが、教職員に対して服務の厳正を意識させ、日々適正な手続きや処理について法を順守させていくことが必要である。

初任者には、服務規程等については具体的な指導がなされるが、ベテランを含めて中堅層の中には、慣れや忙しさにかまけて、その手続きや処理に的確性を欠く場合がある。例えば「出勤簿の押印」が出勤直後になされていないなどである。該当する教員には、往々にして他の手続きや処理も後手後手に回っている場合が多い。

管理職は、基本中の基本であるこれらを見落とすことなく、「厳しさ」と「繰り返しの指導」を心がけるのが大事である。
また勤務時間の割り振りや出張命令と復命の義務、各種休暇、職務命令や研修の義務などについても、日頃から具体的に理解させ、順守させていかなければならない。

教職員の在り方は、常に社会の関心事である。全教職員が、当たり前のことを当たり前に取り組み、職責を全うし、ひいては子どもたちへの責任ある教育をしっかりと担保していくことが、社会から求められている。

それゆえ管理職は、全職員が法を順守し、不祥事根絶に対する強い意識と自覚をもって職責を果たすように、時には厳しく指導するとともに、全教職員が、互いに律し合い、高め合えるような職員集団をつくりあげる。このことはまさに、管理職に課せられた「監督責任」であるとともに、学校としてのチーム力を高めるためにも必要不可欠である。