【連載】クオリティ・スクールを目指す 第81回 学校組織変革への動き

教育創造研究センター所長 髙階玲治

 

参画型調査研究への期待

北海道の函館教育経営研究所(小笠原愈所長)が、珍しい形の調査を行っている。私的な研究会であるが、会員制度で主に校長・教頭などベテランが参加している。研究組織を持っていて3年間の調査研究を行い、今年「学校経営改善の4つの方途」としてまとめた。

珍しいタイプの調査研究と考えるのは、調査対象は会員の校長・教頭であるが、47人とわずかである。ただ、調査対象者が函館市を中心に15の道市町立の学校であって、研究会員が自発的に学校組織変革に取り組む姿勢がみえる。そこに、極めて積極的な意味がある。

最近の学校経営上の課題としてミドルの役割への期待があるが、若い教員が多くなって中間層の人材が不足しているといわれる。

一方、次期教育課程論議にみられるように、多くの変革が学校に導入されようとしていて、それぞれの学校の持続可能な体制の充実が望まれる。従って、ミドル層の経営意識、いわばミドル・アップダウン・マネジメントとしての自覚と行動力が重要である。

そこで同研究所は、ミドルの育成に向けて、学校の実態の中でどう育成しているかを調査したのである。結果は、経営上必要なPDCAがミドルに浸透せず、教頭に多くの職務が集中する実態が判明している。

この結果から、ミドルの育成のための方策として、(1)ミドルリーダーが育つ雰囲気、土壌を意識的に培う(2)リーダーシップを意識的に育成する(3)分掌の学力向上チームや教務主任等に対し、使命を与え、助言する――などをまとめている。

確かにこの「まとめ」は重要だが、実のところ今回の調査を生かす方略は、調査対象者が会員であるという点で、相互交流が図りやすいというメリットが大きいことである。

したがって、今回の調査に基づいて相互交流を図れば、それぞれの学校の実態に基づくミドル育成の実際的な方略が生まれ、それが他校の参考になるのではないか。「おらが学校」の実態が話題になることで切実感が確実に高まるのである。

また、ミドルの職務内容の把握、職務遂行上の協働意識の確立、位置・役割におけるヒューマン・スキルなど、具体的で実効性のある方略がさらに深められる。

ところで調査には「チーム学校」が含まれていて、専門スタッフの必要度は「特別支援教育支援員」がトップ、次いで「サポートスタッフ」「スクールカウンセラー」の順であった。逆に「部活動支援員」「医療的ケアを行う看護師」は低かった。このような会員組織を対象にしたミニ調査も管理職の経営意識がわかって活用できる。また、教育改革の浸透度も把握できるのではないか。

会員相互が調査に協力し、研究的・実際的に参画し、継続すれば質的な変化が各学校に及ぶ可能性は大きく、今後に期待したい。

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