【連載】校長のパフォーマンス 第64回 ルーティンと凡事徹底

教育創造研究センター所長 髙階玲治

 

誰もが仕事上で毎日決まって行うことがある。例えば、学級担任は出勤後、To-Doリストやメールをチェックするなど一日の業務を確認する。教室に出向いて子どもの顔色などから健康状況を調べ、一日の行動を指示する。毎日決まった行動パターンであって、ルーティンと呼ばれる。

ルーティンの特徴は、繰り返される行動パターンであるが、学校では組織として繰り返される行動がある。何よりも、授業時間が統一されており、教員も子どもも意識しなくとも、当然の行為として行われる。給食当番も、清掃活動も、毎日繰り返されるルーティン的な行為である。ただ、教育では当然の行為として求められながら、それがなかなか習慣化されない行為がある。例えば、子どものあいさつ、話を聞く態度、授業中のきまり、廊下の歩き方など多くのことがある。

そこで学校や地域が、「当たり前のこと」を徹底して行うことを掲げて実践している市がある。栃木県の佐野市である。「凡事徹底」である(ベネッセ『VIEW21』2015、vol.2)。

佐野市が推進している「凡事徹底」の例は、(1)児童・生徒(2)教師(3)保護者(4)地域――それぞれに示されていて、子どものみでなく学校や地域全体がさまざまな「当たり前のこと」を徹底する運動を実践している。例えば、教師では、子どもへ声を掛ける、愛情をもってほめる・叱る、などである。

こうしたルーティンの徹底は、例えば教師であれば、さらに「宿題の点検」を毎日行い、その行為を通して子ども個々が家庭学習をしっかりと習慣化させたいとする指導がみられるであろう。ルーティン化することで、子どもが習慣化できることへの期待がある。

こうしたルーティンが大切なのは、継続することで生活や行動が「安定」するという効果が大きいからである。さらに、生活や行動の基盤が確立することで、非凡化へのチャレンジが可能になる。

ただ、ルーティンは繰り返されると、やがてマンネリ化に陥ることがある。また、ルーティンだからの理由で束縛されるという弊害がおきることもある。実はルーティンは、定着したり、習慣化できたら、より高い「めあて」を目指して新たなルーティンを設定すべきである。また、状況が変わったら別なルーティンを設定することも必要である。

学校は何よりも「安定」や「充実」することが大切で、子どもの生活適応、学習適応、集団適応など、しっかりした基盤確立のために、自校にとってどのようなルーティンが適切か十分考慮し、効果的に実践すべきである。

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