【連載】国際バカロレアを知るために 第29回 必要コストへの誤解について

都留文科大学特任教授 武蔵野大学教育学部特任教授
リンデンホールスクール中高学部校長 大迫弘和

 

私が「国際バカロレア(IB)に関する三大誤解」と名付けているものがあります。1つ目は「IBは英語教育」、2つ目は「IBはエリート教育」、3つ目は「IBには莫大なお金がかかる」という誤解である。

どれも誤解であると、しっかり説明しなくてはならないのですが、ここでは特に、3つ目の「IBには莫大なお金がかかる」との誤解について書いておきます。

文科省大臣官房国際課(省内のIB担当部局)が昨年9月に「国際バカロレア認定のための手引き」を出しています。私も作成に協力しました。

その発行の意図は、まさに題名通り、IB校になるためにはどうしたらよいかを分かりやすく説明することにありました。それと同時に、IBに関しての「正しい情報」をきちんと示すのも意図されていました。

「手引き」の内容に従って、IBにかかるお金を確認していきます。

IBの認定プロセスには「関心校段階」「候補校段階」「認定校段階」の3段階があります。「関心校」段階では、「スクールインフォメーションフォーム」を国際バカロレア機構(IBO)に提出し、IBについて関心があること示します。この「スクールインフォメーションフォーム」の提出は無料です。

次に「候補校段階」ですが、まず「候補校申請」をIBOに提出します。この提出時に候補校申請費として、5600SGD(シンガポールドル、約47万円)を支払います。申請書類の審査があり「候補校」として認定されると候補校年会費として、毎年1万2600SGD(約106万円)を支払うことになります。候補校の期間は長くて2年くらいと考えてよいでしょう。

「候補校」にはIBOからコンサルタントの訪問があり、この費用は候補校年会費に含まれていますが、旅費・宿泊費は学校が負担します。

最後の「認定校」段階に入るために「認定校申請」をIBOに提出します。申請費は無料です。その後、IBOによる「確認訪問」が行われますが、これは前のコンサルタント訪問と同様に、旅費・宿泊費のみ学校が負担します。そしてついに「認定校」となった段階で、認定校年会費として、毎年1万2940SGD(約109万円)を支払うことになります。

「認定校」になると、IBOによる評価訪問(初回は4年目。その後は5年ごと)が行われます。費用は4570SGD(約39万円)となります。

そのほかに「候補校段階」「関心校段階」で参加が必須のIBO主催のワークショップとして学校管理者向けの「アドミニストレータ・ワークショップ(カテゴリー1)」があり、早期登録は860SGD(約7万円)、通常登録は940SGD(約8万円)。「確認訪問」までに参加必須なワークショップとしてコーディネータ向けの「コーディネーションWS(カテゴリー1)」および各科目の教員向けの「科目ごとワークショップ(カテゴリー1)」があり、費用は「アドミニストレータ・ワークショップ(カテゴリー1)」と同額です。

(注)記載内容は昨年9月現在のものであり、今後変更される可能性があります。費用計算は昨年9月1日時点のレート(1SGD=84.5円)で計算しています。