【連載】目指せ管理職 選考試験を突破しようⅢ 第13回 規律ある不安のない学校づくり その2

教育新聞 教育管理職研究会編

教職員のメンタルヘルスにどう対応するか
○心身ともに健康な教職員を

良好な学校運営を行っていくためには、教職員が心身ともに健康を維持して、明るく意欲的に児童生徒の指導ができることが極めて大切である。そのため校長は、毎年、定期に、教職員の健康診断を行う(学校保健安全法15条)等、日常的にその対策に取り組むことが強く求められている。

特に精神性疾患による病気休職は、全国的にみると、平成26年度は5045人に上り、依然として高水準で深刻な状況になっている。校長は、教職員のメンタルヘルスの日常管理のためにどのようにすればよいか、考えてみよう。

○病気を出さない職場をつくる

勤務する環境や教職員の人間関係は、教職員の心と体の健康に大きな影響を及ぼす。働きやすい職場でこそ、教職員はやりがいと達成感を得ながら児童生徒の指導に全力で取り組むことができる。ストレスの少ない職場をつくるために、校長は次のような点を心掛ける必要がある。

▽日頃から職員に挨拶や気軽に声かけなどをし、校長自ら職員との関係づくりを積極的に行うように努力する。校長室をオープンにして、話がしやすい雰囲気をつくるようにする。また職員室が疲れた心身を休める憩いの場になるように談話コーナーを設置するなどを工夫する。

▽教職員を温かい目で見守り、一人ひとりを理解して、指導・支援するように努める(健康状況、勤務状況、性格、生活状況、家庭環境等)。

▽会議や行事の見直しをしたり、ノー残業日を設けたり、校務の効率化を図り正規の勤務時間に仕事が終わり、自分の自由時間を楽しむ勤務体制をつくったりする。

▽教職員が自分自身で、ストレスコントロール能力を高められるように、指導や研修を行うようにする。またストレスチェックを通して、自ら課題をみつけて実践させるように指導する。

▽仕事ぶりを把握して、よいところを評価して慰労をし、必要に応じて適切な支援をする。また能力以上に仕事を与えていないか、特定の教職員に分掌が集中してないか、仕事の進捗状況はどうか、悩みはないかなどについて、相談に乗るようにする。

▽パワーハラスメントやセクシャルハラスメントについて教職員にも深く認識させ、言動に注意させる。特に私生活への介入や人権侵害ともいえる言動を慎む。

○早期発見、素早い対応

精神性疾患になっても、早期発見ができれば早く回復でき、当人にとっても学校にとっても利益になる。しかし、「知られたくない、触れられたくない」などの傾向があるとの認識を持っておく必要がある。児童生徒や保護者等からの苦情や相談があったり、早退・遅刻・欠勤が多くなるなど、おかしいと感じたときは、真剣に耳を傾けて話を聞き、教職員の性格などを踏まえて共感的な助言・支援を行う。困難を感じたら校長だけで抱え込まず、早めに本人の了解をとり、学校医など専門家や教育委員会に相談する。

○病気になってしまったら

不幸にして教職員が精神性疾患となり、勤務できなくなったときは、校長として次のような対応が必要になる。

▽本人や家族との連絡を密にとり、状況を適切に把握する。
▽主治医との連携を図る。できれば本人の承諾を得て、受診する際に同席して職場の状況などを伝えて、治療の参考にしてもらうことも必要である。
▽教育委員会の人事担当に現状を報告し、今後の対応について調整する。
▽職場内において、病気に対する理解や復帰後の協力体制をつくることが必要である。
▽復帰後は、本人の了解を得た上で、業務を軽減するなどをして、病気を再発させないように配慮する。当然、職場の理解と協力を得ることが必要である。

大切なのは、校長自身が明るく楽しく笑顔で勤務することである。校長の心の健康状態が、教職員に大きな影響を与える。校長の不健康は、教職員のストレスになる。校長が心の健康を保つことが重要である。