審議まとめ案 管理職としてここに注目~中学校 地域全体として部活動指導を

中教審の「次期学習指導要領に向けたこれまでの審議のまとめ(案)」が公表されたことに伴い、学校現場の責任者である校長としてはどこに注目したらよいか、そのポイントを小・中・高校の校種別に本紙論説委員に「審議のまとめ案―管理職としてここに注目したい」と題して論じてもらった。


教育新聞論説委員 細谷美明

中学校関係に焦点を絞った上で、注目される点をいくつか指摘したい。

第1に、「学びの連続性」についてである。同案は、「3 育成すべき資質・能力について」の項で、「幼児教育から高等学校までを通じた見通しをもって、各学校段階の教育課程全体及び各教科等においてどのように伸ばしていくのかということが、系統的に示されなければならない」とし、「前の学校段階での教育が次の段階で生かされるよう、学びの連続性が確保されることが重要である」としている。

とりわけ今回の改訂では、小学校において新たに英語科が高学年に新設される。これまでも小学校の英語活動については、音声中心の活動や教員の経験不足等の問題もあり、中学校に入学してくる生徒の中にいわゆる「英語嫌い」が発生し中学校によってはその対応に追われるところがあった。同案でも、小・中・高一貫した指標形式の教育目標を学習指導要領に設定すること、教員養成や学校間の教員交流・研修を活性化することなどを提案しているが、これまでの成功事例も踏まえるとともに、中学校英語科教員の持ち時数の軽減策をとるなど中学校による小学校への協力体制の条件整備にも配慮してほしい。

同時に、英語科だけでなくすべての教科等の「学習指導要領解説」作成においても、作業に加わる小・中・高の教員による「学びの連続性」に関する討議をぜひ期待したい。

第2に、部活動についてである。同案は、「9 各学校段階・各教科等における改訂の具体的な方向性」の項のうち「中学校」の項でその半分近くを「部活動」について述べている。その中で、部活動のもつ教育的意義を認めつつ、部活動を学校の枠内にとどめず他の中学校区も含めた地域全体での教育活動として、その運営を教育委員会や関係団体を中心とした指導体制に整えるなど長期的な視野をもって臨むべきとしている。こうした考えはこれまでも存在し、運営を地域や民間企業に委託する取り組みも行われてきたが、十分な成果は得られていない。

同案がいう体制の整備には、関連する法令等の整備も視野に入れた国・行政の大英断が不可欠である。結果的に教員だけにその負担が回ってこないことを願うのみである。

【新学習指導要領で審議まとめ(案)~識者に聞く・解説~】


【関連記事】

「新学習指導要領「審議のまとめ」(案)を読み解く」(2016.8.6)

「次期学習指導要領で審議まとめ案 年内の答申を目指す」(2016.8.1)