審議まとめ案 管理職としてここに注目~高校 科目構成見直し情報収集を

中教審の「次期学習指導要領に向けたこれまでの審議のまとめ(案)」が公表されたことに伴い、学校現場の責任者である校長としてはどこに注目したらよいか、そのポイントを小・中・高校の校種別に本紙論説委員に「審議のまとめ案―管理職としてここに注目したい」と題して論じてもらった。


教育新聞論説委員 工藤文三

注目したい第一点は、これまでともすれば教科・科目中心に展開されていた教育課程を、総則を中心に構造化し可視化することが予定されていることである。そこには各教科の教育的役割を示す「見方・考え方」が示されると同時に、小・中学校との関係についても示されることになる。さらに、各教科等の教育内容を相互に関連づけて、教育課程全体として目標を達成するカリキュラム・マネジメントが重視されることも重要である。

高校では教科というよりも科目を中心に、必履修、選択履修など単位制の趣旨で教育課程が運営されてきた。この点で、今回示されている各教科等と教育課程全体とを往還させるカリキュラム・マネジメントをどのように具体化するかは、高等学校における固有の課題といえる。少なくとも履修構造に沿った各科目の性格と役割、相互関係を整理することが求められよう。

第二は、大学や社会との接続と連動した各教科の科目構成の見直しについて。高等学校基礎学力テスト(仮称)、大学入学希望者評価テスト(仮称)の実施とともに、高校教育で目指す学力と大学で育む学力とを一体的に改革することをねらいに、多くの教科で科目の再構成が行われる。ともすれば知識・理解に偏りがちであった教育指導から、探究的な学習や協働的な学びを通じて、生きて働く力を育成する趣旨の改訂である。

この点は、再構成される新科目の趣旨を踏まえた指導を進めていく上で重要である。また、社会との接続の観点からキャリア教育を教育課程に組み込むことが計画されている。

高校の科目構成の改革は大きなものであり、論点整理や審議のまとめの参考資料を手がかりに早めに校内で情報収集し、告示・実施の時期を見据えたロードマップを考えておきたい。

その他、共通教科理数科への対応については、SSH等の先行例から学ぶとともに、校内の指導体制の在り方を検討することが必要である。観点別評価については、指導要録の様式例に観点別の記載欄が設けられる。この点を踏まえ、現行の教育課程においても観点別評価を早期に実施し、定着を図ることが必要である。

さらに、高校において平成30年度から通級による指導が制度化される。通常の教育課程における障害に応じた特別の指導の位置づけ、指導内容や実施形態の具体的な姿が注目される。

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