【連載】学校教育相談の歩みと展開 第13回 良好な人間関係を築く

函館大谷短期大学名誉教授 保坂武道

 

構成的グループエンカウンターで自尊感情を高め、良好な人間関係を築くのは、極めて有効である。

(1)いま子どもたちは、自尊感情を失い、人間関係が極めて稀薄である。そのために内向き思考で、孤立した子どもが多い。

(2)構成的グループエンカウンターは、そうした問題を解消する大きな手がかりを与えてくれる。わが国では、昭和57年に、國分康孝氏が開始し、多くの企業や学校の授業・学級で幅広く取り入れられている。
構成的グループエンカウンターは、集団またはグループで、さまざまな課題(エクササイズ)を実施しながら、人と人のふれあい体験を通して対人関係を深め、個人の成長を図ろうとする。

エクササイズには、それぞれねらいがある。「どの時期に、何を目的に、どんなエクササイズが必要か」を学級担任は押さえる。やればよいというものではなく、学級担任の、年間を見通した明確な意図のもとで実施されるものである。私も大学の講義で、授業に取り入れ、ショートエンカウンターを年に数回実施している。

(3)1こまの流れ

▽ウオーミングアップ=雰囲気づくり・アイスブレーキングなど
▽インストラクション=ねらいと仕方を説明
▽エクササイズの実施=課題への対応・ねらいの体験
▽介入=リーダーの気配りと適切な助言が必要
▽シェアリング=気づいたこと、感じたことを話し含う。このシェアリングが、構成的グループエンカウンターでは重要になる

(4)構成的グループエンカウンターでめざす人間像

▽自己理解・ポジティブな自己像形成=長短ある、その自分を受け入れる
▽他者理解=ポジティブな他者像形成・自分と異なる友人を受け入れる
▽自己開示=自己の存在や内面を示し、自分の言葉で相手に伝える勇気を持つ

(5)年間を見通して意図的・計画的に実施する

▽学級における出会いの演出
▽自己理解のエクササイズ
▽他者理解のエクササイズ
▽自己開示のエクササイズ
▽人生のエクササイズ
▽社会や世の中へのエクササイズ
▽趣味・特技へのエクササイズ
▽これらを、年間を見通して学期に2、3回程度行う
▽その他にショートエクササイズを随時実施

教育カウンセリングを学んでいる人は数多い。しかし、それを学校ぐるみで取り組んでいるところと取り組んでいないところには落差がある。

個人で、それ相応の識見を持つ教師がいても、それが全体に普及しないと、大きな成果は期待できない。

教育カウンセリングの有効な方法である構成的グループエンカウンターは、幼稚園から大学まで使える。個と集団を育てる手法として、学習活動、総合的な学習の時間、学年、学校行事などの年間計画の中に組み入れて、各地で大きな成果を収めている。

そのために、全教職員の共通理解と協力体制を整えることが大切である。
学校現場で実施する構成的グループエンカウンターは、特別な目的を持つものである。

したがって、学校でこれを実施する人々は、基本をしっかりと学び、あとは、体験を積み重ねることが肝要だと思う。
構成的グループエンカウンターは、教育カウンセリングの中軸をなすものと考えている。

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