【連載】学校経営“旬”の課題 『教職研修』岡本編集長の3分解説 第3回 プログラミング教育

6月16日、文科省有識者会議で、「小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ)」が公表されました。平成32年度から本格実施される次期学習指導要領での導入が目指されています。

プログラミング教育自体は、子どもの習い事として近年、人気を集めています(他の習い事に比して費用が高く、一部の世帯の子どもしか通えないという現実もあります)。

それがなぜ、小学校ですべての小学生に対して行われることになったのでしょうか。

そのキーワードは「プログラミング的思考」です。文科省有識者会議「議論の取りまとめ」によると、「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組み合わせが必要であり、一つひとつの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組み合わせをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力」と定義しています。

第4次産業革命のなか、産業構造が大きく変化しようとしています。日常生活でも仕事をしていくうえでも、AIやロボットを使いこなすことが求められてきます。

それができなければ、むしろAIやロボットが指示することをこなすだけの人になってしまうという危機感が、そこにあります。

また一方的に与えられたものを消費するだけの立場となるか、仕掛けを生み出していく立場となるかの分かれ目でもあります。

プログラミング教育は、教科が用意されるわけではなく、音楽や図工、総合的な学習の時間など各教科等のなかで実施されることになります。

よく「プログラマーを育成するために、小学生から教育をするのか」といわれますが、これは誤解です。小学校段階では、プログラミング教育を体験して、「プログラミング的思考」を養うのが目的です。

まずは教師の指導力が、大きなハードルとなります。教師の負担が増したり、現場で趣旨が把握されないままなし崩し的に実施されたりするといったことがないように、文科省には、教材の整備や各教科での指導事例など、丁寧に準備していくことが求められます。

【岡本淳之】

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【『教職研修』9月号のヘッドライン】巻頭インタビューは、東京大学の中邑賢龍先生に、学校になじめない子への支援についてうかがいます。特集1は「対話的な学び」について、田村学先生インタビューほか。特集2はプログラミング教育について、堀田龍也先生へのインタビューほか。