【連載】目指せ管理職 選考試験を突破しようⅢ 第15回 きめ細かな指導体制の確立・充実を

教育新聞 教育管理職研究会編

 

きめ細かな指導体制の確立・充実を
○夏休み明け前後の指導が重要

夏休み明け前後に子どもの自殺が急増することが、内閣府の調査で分かっている。不登校支援に取り組む相談機関、文部科学省等も「夏休み明けは子どもの身心に変化が表れやすい」として、全国の教育委員会などに子どもの見守り強化を求めている。

また学校現場においては、日ごろから保護者等との連絡を密にし、子どもの異変に気づけるような、きめ細かな指導体制の確立・充実が求められている。

[参考]「不登校」とは、年間または断続して30日以上欠席した児童生徒のうち、何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しない、あるいは、登校したくともできない状況にあることを「不登校」という。ただし、「病気」や「経済的な理由」による欠席者は除く。

○「さまざまな原因による不登校」の具体的な指導

夏休み当初は解放感があるが、夏休みが終わりに近づくにつれ、日に日に登校への緊張感が高まっていく。

不登校児童生徒は、不登校の要因・原因をさまざまに抱えており、家族に悩みを直接話しにくいのが実態である。そのため、学校の果たす役割は大きい。

▽学校全体の指導体制の充実

校長(副校長)・教頭は指導力を発揮し、スクールカウンセラーとの効果的な連携や生徒指導主任・養護教諭の役割を含めた組織および機動的な指導体制・相談室等の環境を整備する。

また不登校児童生徒の学校内外の学習状況等の把握に努め、家庭での役割を与える。担任教員・学校とのつながりを保つことで、自己存在感・有用感をもたせる取り組みを重視する。

不登校指導には、教職員間の情報の共有を図るための、児童生徒の個別指導記録を作成して具体的な指導行動をとることが肝要である。

○無気力・不安など子どもと異変に気づく指導

不安など情緒的混乱のある児童生徒は、登校の意志はあるが、身体の不調を訴えて登校できない。児童生徒の異変は、起床が遅くなったり、無気力で何となく怠けて登校しないなどと見過ごしてしまう場合が多い。

またいじめや教師との人間関係など悩みを抱えている場合もある。腹痛などの身体症状があったら要注意。欠席が続いたら「後回しにしない」「欠席・早退・遅刻等に疑問をもつ」「見逃さず、家庭との連絡はしっかりとる」等を全教職員に徹底する。

教職員は、そのような場合、迎えに行くなど強く登校を促すのではなく、寄り添って気持ちを打ち明けやすいような指導をする。児童生徒が本当につらいときには「ちょっと休むこと」など臨機応変な指導をするように心がける。

○不登校児童生徒へのきめ細かで柔軟な対応

「不登校児童生徒と学級担任や学校との関係を切らさない」「保護者と学校の意志疎通」「学級の児童生徒と不登校児童生徒の人間関係づくり」など、教職員・保護者に不登校児童生徒に対する具体的な姿勢や取り組み内容を校長(副校長)・教頭は丁寧に説明する。

▽安心して通うことのできる学校の実現

学ぶ意欲を育む指導の充実。発達段階に応じた配慮、習熟度別の学習指導や基礎学力の定着に向けたきめ細かい教科指導の実現。学級活動、児童会、生徒会活動、学校行事等の特別活動の充実など「心の居場所」「絆づくり」の場としての魅力ある学校づくりを目指す。

▽校長(副校長)・教頭の柔軟な判断と対応

不登校の原因は、嫌がらせをする児童生徒の存在や、教師との人間関係など、明らかにそれと理解できる学校生活上の影響から登校しない(できない)場合が多い。

校長(副校長)・教頭の判断対応としては、不登校児童生徒の立場に立った柔軟な発想が必要である。学級替えや、場合によっては転学等の措置も必要である。

また不登校児童生徒がフリースクール等に通っていれば、教育活動の内容や学校の意思を含めて連携して進級・卒業認定等の対応やきめ細かに指導・支援する環境や指導体制をつくることも大切である。

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