【連載】クオリティ・スクールを目指す 第84回 学級経営をどう充実するか

教育創造研究センター所長 髙階玲治

 

中教審の「審議のまとめ」で強調

次期学習指導要領で何が強調されるかは重要な問題であるが、8月1日に中教審の「審議議のまとめ(案)」が出て、その中に「学習活動や学校生活の基礎となる学級経営の充実」が取り上げられている。

学習指導要領の総則に「学級経営」がより積極的に取り上げられるとすれば、学校力の基盤が一層強化されるのではないか。

その「まとめ」には、「学校は子供たちや教職員、保護者、地域の人々から構成される一つの社会である」とする認識がみられる。そこで学級やホームルームを学校の基礎的集団として学級経営の充実を図りたいとする。ただ、小学校に比べて中・高校の学級(ホームルーム)経営は十分でなく、特別活動の学級(ホームルーム)活動などとの関連で充実したいとしている。

これまでは主に小学校は学年・学級経営あるいは学級づくりとして、学級担任が自律的に「おらが学級」という意識で学習活動や生活上の問題解決や充実に取り組んできた。それが最近はやや形骸化しはじめているのも確かである(本紙7月25日「学級経営は充実しているか」)。

特に若手教員が増加して、学級経営の理解が不徹底な実態がみられる。学級担任の職務を見よう見まねや自己流で行う例も多くなっている。ただ、担任による「学級」を単位とした指導のすべてを充実させるのには、相応の力量が必要である。

例えば、学級活動等の関連などを含め、日常の生活上の指導で相互に補い合うなどが必要である。授業における基礎的な指導もまた学級経営の重要な方略である。

しかし、「おらが学級」をよりよく経営したいとするビジョンを持ち、そのための具体的な方略を展開することで、子ども個々の成長を確かなものにするのは、学級担任のミッションである。それは単に学級担任の職務のみでなく、学級という単位の中で相互に関わり合いを持つ児童生徒にとって相互啓発の場として必要である。よい仲間意識が育まれ、それが将来へつながる例は多い。学級集団づくりとしての豊かな展開である。

一方、学級は学校教育の基盤とする認識が重要である。学年の発達性に留意しながら、確かな成長に向けた学校組織における協働的・共創的な経営意識が必要である。そこに、学年共同経営の発想や管理職の支援が求められる。

また学級経営充実の方策は、積極的に実施したい学校力向上の要になるものである。学級経営形骸化の実態がみられることから、自校の現状をリサーチして、望ましい学級経営のあり方を全校で共有すべきである。

特に若手教員が増加している場合は、学級づくりのノウハウなどを確認するなど、日常の指導を充実したい。

教師力の向上は学級経営力から始まるのである。

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