【連載】若手を育てる学校経営マネジメント 第2回 教師集団が育つ職員会議

明星大学教育学部特任准教授 深井薫

 

授業の中で班ごとに発表交流
授業の中で班ごとに発表交流

近年、毎年多数のベテラン教員が退職し、初任者が大量に採用されている。

今から三十数年前、私が初任のころは、学年主任をはじめ多くの先輩教員から、学級経営や通知表の所見の書き方、学校図書館の図書購入方法など、多くの事柄を教えていただいたものである。

そのような経験豊かな教員が、少なくなっている。貴重な教育的財産が継承されにくくなっている現状がある。その下の世代はといえば、40代の、バブル景気の時期に採用された少数の教員である。このような中で、毎年若手が大量に採用され、配置されている。

少数の中堅教員と大量の若手教員、そして仕事の多忙化が追い打ちをかけ、個人の力ではどうすることもできなくなっているのが、今の学校である。

そこで、学校体制として組織化し、チーム学校として人材を育成していく必要に迫られている。

私は、異動した学校では、直ちに周囲の教員や保護者、地域の方から話を聞くとともに、実際に自分の目で見、自分の耳で確かめ、方針を固めていく。なぜなら、人からの話は、その人の価値観に左右されるからである。学級経営的視点から、まず、教員一人ひとりとコミュニケーションを図り、信頼関係をつくっていく。決して裸の王様になってはいけない。校長室にいても、全てを把握することによって、学校経営は円滑に動いていくものだ。

その上でどうするか。全体に周知するには、職員会議が一番である。学校経営方針とともに学級経営上重要な内容について、その学校の児童や教員集団の実態に合わせ、見やすくA4判1枚に印刷して配布した。特に、本校の教員として当然知っておくべき常識的な内容も、あえて具体的に話をした。

例えば、冬季、体育着の上に、フードやひも、ファスナーの付いたものを着ない、学校で児童がけがをした場合、児童が在校している間に、保護者に連絡して児童を帰すことなどの理由も話しながら伝えていった。

このような初歩的なことも、ベテラン教員の中にも知らない人がおり、若手教員は当然分からないという事実が分かった。

武田信玄公の「人は城 人は石垣 人は堀」は、まさに教育にも該当する。教育の財産は人である。教員集団としてどれだけのことを理解できているか、年長者が若手に教えられるのかを観察し、職員会議は、若手、中堅教員等のすべての力を整えていく場としたい。