【連載】教育現場の課題をひもとく 特別編 キーワードで読む「次期学習指導要領・審議のまとめ」(6)

監修 教育新聞論説委員会

 

「各教科等の見方・考え方」 これを軸に授業改善を図る

次期教育課程は、学校における「学びの地図」としての枠組みに基づいて、編成・実施・評価を進めることになる。この「学びの地図」としての枠組みとは、育成すべき資質・能力に当たる「何ができるようになるか」、指導内容に当たる「何を学ぶか」、指導方法に当たる「どのように学ぶか」、学習評価に当たる「何が身に付いたか」などである。

このような「学びの地図」、学びのプロセスは、総則の改善として具体化される。

これらのうち、「何を学ぶか」に関して「審議のまとめ」では、「各教科等の見方・考え方」を明確にし、これを軸とした授業改善の活性化について記している。

新たに示された「各教科等の見方・考え方」とはどのような内容で、どのような意義を持っているのであろうか。

例えば国語の場合は「言葉による見方・考え方」として、「自分の思いや考えを深めるため、対象と言葉、言葉と言葉の関係を、言葉の意味、働き、使い方等に着目して捉え、その関係性を問い直して意味付けること」とされている。

算数・数学については「数学的な見方・考え方」として「事象を、数量や図形及びそれらの関係などに着目して捉え、論理的、統合的・発展的に考えること」とされた。いずれも「〜捉え」と「意味付け」「関連付け」「考える」等々として示されている。

次に「見方・考え方」を示したことの意義はどこにあるのだろうか。

第一にこれらの「見方・考え方」は、各教科等の特質を踏まえた視点であり、また各教科等ならではの思考の枠組みや方法を示している。これまでの学習指導要領では、各教科等の特質は、それぞれ目標や内容によって判断する他はなかった。今回は、端的に教科等に特有のアプローチの仕方や思考の特質を「見方・考え方」として整理し提示した点に意義がある。

第二に、教科等ごとに「見方・考え方」が明確にされたことによって、当該教科等で目指す資質・能力育成のプロセスが整理されることである。各教科等のワーキンググループの審議の取りまとめによると、各教科等ごとの「見方・考え方」を「働かせて」学習を進め、目指す資質・能力の育成を目指すこととされている。

第三に、「見方・考え方」は当該教科等の学習を通じて働かせるとともに、他の教科等においても生かすことができる点である。例えば「言葉による見方・考え方」は国語のみならず、他教科等の学習において用いることが可能である。特に総合的な学習の時間において、各教科等における学習を関連づける際に、「見方・考え方」を用いることができる。

これらを踏まえたとき、今後、各学校の教育課程の編成・実施等において、どのような点に配慮すればよいであろうか。

一つは、総則の別表として「各教科等の見方・考え方」が示されることを踏まえて、各学校の教育課程の編成とその示し方について検討を進めることである。これまでは、学校教育目標や重点目標を示した後、各教科等の指導計画として教育課程の編成がなされてきた。今後は「各教科等の見方・考え方」を教育課程の具体的な内容として位置付け、示すことが考えられる。

二つは、「見方・考え方」を各教科等の授業に「働かせる」ことの具体的な取り組みである。例えば「言葉による見方・考え方」については、「言葉の意味、働き、使い方等に着目して捉え」とされていることの実践的な姿を授業場面を想定しながら明確にしていくことである。

三つは、「見方・考え方」を「働かせる」のを通して、実生活における問題解決にどのように生かせるのか、それはどのような授業や学習を準備することによって可能となるのか、これらについて実践面から検討していくことである。
(担当・工藤文三論説委員)

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