【連載】目指せ管理職 選考試験を突破しようⅢ 第20回 危機・安全管理の指導力5

○事態の深刻さを認識させよ

中学校の体育祭開会式でのことである。「保護者、ご参観の皆様にお願いいたします。体育祭の動画をユーチューブやネットに投稿するのはやめてください」と、実行委員会の生徒が参加者全体に注意を促した。このように、情報管理が強く叫ばれている時代である。

こうした中で、本来許されない個人情報や教育情報の流出により、学校への信頼を損ねる事態が続いている。校長として、情報管理を徹底し、あってはならない情報の流出を未然に防ぐ取り組みに全力で臨みたい。

▽情報発信と流出について認識の共有を図る

教育活動の充実のために、保護者や地域との連携は欠かせない。そのために「開かれた学校」として、確かで、必要な情報を発信し、学校への理解と協力を得ることは必要不可欠だ。半面、学校には決して流出してはならない情報がある。まず、児童生徒、教職員、保護者に関する個人情報である。また指導等に関して学校に備えるべき表簿である。児童生徒指導要録、健康診断に関する表簿、各種のテスト結果のデータ等で種類も形態もさまざまある。見逃せないのが、学校の特殊な環境である。膨大で、場合により情報が個々の教員、養護教諭のみならず事務職員、栄養士等が複数の場所で管理しているという現状である。

▽流出・悪用された場合の深刻さについて認識の共有を図る

通信技術や機器が進歩し、爆発的に普及している。しかし、使い方を誤ると個人情報が悪用され、ツイッターやフェイスブックといったSNSやメールなどを通じてインターネット上に流出し、エスカレートすると、ネットの世界にとどまらず、実生活での加害行為に及ぶなど深刻な事件につながる危険性がある。教職員の不注意なUSBの紛失等による情報流失も同様である。これらについて「当然のことで教職員は十分に分かっているはず」との認識に立たぬことである。

○徹底した法規の研修を実施せよ!

教職経験を経るにつれ、守らねばならない基本的な事柄を忘れがちになる。今一度、公務員として承知しておかなければならない法規について、しっかり研修したい。これによって、公務員としての自覚を再確認し、緊張感のある職場環境を取り戻すことができる。「個人情報の保護に関する法律・条例」や「地方公務員法(秘密を守る義務)」の再確認は必須である。

[参考]
「個人情報の保護に関する法律第2条」

個人情報とは、生存する個人の情報であって、特定の個人を識別できる情報(氏名・生年月日等)を含むものを指す。他の情報と容易に照合できることによって特定の個人が識別できることができる情報(学生名簿等と照合できる学籍番号等)も含まれる。

「地方公務員法第34条」

職員は、職務上知りえた秘密については、それが個人的な秘密、公的な秘密を問わず、在職中はもちろん、退職後もこれを漏らしてはならない。

○校内規定の見直しとセキュリティ対策を確実に実施せよ

校長が最も気を配らなければならないのは、校内における情報の機密性の保持と情報の管理・取り扱いのルールの確実な実行である。それには、情報に関する「校内規定」の見直しと「セキュリティ対策」のチェック、そして全教職員に確実に実行するよう徹底指導することである。その際、次の点などに配慮したい。

▽規定およびセキュリティ対策上、機密性保持のため、各種情報について、「持ち出し禁止」「校長の承認による」などの基準を明確にする。
 ▽安易に個人情報を学校だより等でネットに開示しない。
 ▽学校など行動範囲が特定される情報、写真をネットに載せない。
 ▽写真を撮る際にはGPS機能をオフにする。

○校長の指導の視点

校長として、日々の学校運営を推進しながら、次のような点に配慮しながら教職員の指導にあたりたい。

▽教職員一人ひとりの情報に関する意識を高め、ミスをなくすために互いに声をかけ、確認し合える職員集団を育てる
 ▽情報の保管管理、施錠等の担当職員を校務分掌に配置する。
 ▽退勤時の教室の点検、成績処理簿の保管等について、学年主任、教務主任から教員への声かけを徹底させる。
 ▽個人情報に関する書類等を教室内に放置しない。PCを開いた状態で離席することなどを常にチェックする。

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