【連載】学校経営“旬”の課題「教職研修」岡本編集長の3分解説 第5回 要である「総則」を見直す

前回に続き、8月26日の中教審教育課程部会「次期学習指導要領等に向けたこれまでの審議のまとめ」についてです。学習指導要領の改善のイメージは、どのようなものでしょうか。

「審議のまとめ」では、従来の学習指導要領がめざしていた「生きる力」を、(1)生きて働く「知識・技能」の習得(2)未知の状況にも対応できる「思考力・判断力・表現力等」の育成(3)学びを人生や社会に生かそうとする「学びに向かう力・人間性」の涵養——の3つの資質・能力に沿って具体化し、そのために必要な教育課程の枠組みを分かりやすく再整理するとしています。

特に「総則」は、学習指導要領の要であり、教育課程に関する基本原則を示すものであるので、「何ができるようになるか」「何を学ぶか」「どのように学ぶか」の視点から抜本的に改善し、必要な事項を分かりやすく整理するとしています。

具体的には、「学習指導要領・総則の改善イメージ」として、「前文」「第1 小学校教育の基本」(=何ができるようになるか)、「第2 教育課程の編成」(=何を学ぶか)、「第3 教育課程の実施と学習評価」(=どのように学ぶか、何が身に付いたか)、「第4 児童の発達を踏まえた指導」(=子供の発達をどのように支援するか)、「第5 学習活動の充実のための学校運営上の留意点」(=実施するために何が必要か)、「第6 道徳教育推進上の配慮事項」、「別表 各教科等の見方・考え方の一覧」が示されたところです。

従来、自身の担当教科にしか目を通さない教員もいるといわれていました。次期学習指導要領という「学びの地図」のもとで、その教科の、その単元の、この授業がどんな位置づけにあるのかを、各教員が自覚して取り組んでいけるために、どんな「総則」になるのか、大いに期待されます。

また「社会に開かれた教育課程」の実現のためには、保護者や地域にもわかる言葉で書かれる工夫も必要です。

「教育課程」や「特別支援教育」などの「教育用語」を、多くの保護者は理解できません。学校現場・管理職の丁寧な情報発信も必要ですが、行政には、そのための材料も豊富に揃えていただきたいです。
【岡本敦之】

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【『教職研修』11月号のヘッドライン】巻頭インタビューは岸本好弘先生。子供が能動的になる「ゲーミフィケーション」の実践。特集1は「2020年新学習指導要領 総則・各教科等はどう改訂されるか」、特集2は「自校の教職員は大丈夫?『法的にグレーな教育活動』に要注意」です。

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