【連載】教育現場の課題をひもとく 特別編 キーワードで読む「次期学習指導要領・審議のまとめ」(9)

監修 教育新聞論説委員会

 

「外国語教科化に伴う短時間学習」 CMの視点で広く考える

「短時間学習」とは、知識・技能の定着を図るため、ICTも活用しながら10~15分程度の短い時間を単位として繰り返し教科指導を行う効果的な学習をいう。各学校においてはこれまでも帯学習、モジュール学習などとして実践されてきた。現行の学習指導要領総則においても、これに関しての規定がある。

短時間学習については、「平成27年度公立小・中学校における教育課程の編成・実施状況調査」では、短時間学習を実施している小学校は74.8%、中学校で64.8%であった。「短時間学習により児童・生徒の変容が見られた」が、小・中学校とも100%近くの回答があり、効果があがっているものと思われる。

具体的な変容では、小学校では「基礎的・基本的な知識・技能が身に付いた」が85.3%、中学校では「生徒の一日の生活リズムが整うようになった」が73.7%で多くなっている。一方、課題としては、「短時間学習の効果的な指導内容・方法」「教材・教具の開発や準備の時間」をあげている学校の割合が高かった。

次期の学習指導要領において、小学校中学年で外国語活動が導入され、高学年で外国語が教科化される。そのねらいは、中学年では「聞くこと」「話すこと」を中心とする、外国語を用いた体験的な活動を通じて、言語や文化について体験的に理解を深め、外国語の音声や基本的な表現などに慣れ親しませ、コミュニケーション能力の素地を養うことにある。高学年では、外国語やその背景にある文化の多様性を尊重し、相手に配慮しながら聞いたり話したりすることに加えて、読んだり書いたりすることについての態度の育成も含めた、コミュニケーション能力の基礎を養うことをねらっている。

各学年に配当される時間は中学年が年間35単位時間、高学年が年間70単位時間である。時数としては中・高学年それぞれ年間35単位時間増となる。現在でも時間割はすでに満杯の状況にあり、これに対応すべく取り上げられたのが「短時間学習」(帯学習、モジュール学習)である。

「審議のまとめ」では、「他にも四五分に一五分を加えた六〇分授業の設定、夏季、冬季の長期休業期間における学習活動、土曜日の活動や週当たりのコマ数の増なども考えられるところであり、場合によってはこれらを組み合わせながら、地域や学校の実情に応じた弾力的な時間割編成を可能としていくことが求められる」としている。

また「中学年については、外国語活動を短時間学習で行うことは難しいと考えられるが、その他については同様の考え方に基づき、地域や各学校の実情に応じた弾力的な時間割編成を可能としていくことが求められる」とし、これらを踏まえることが必要である。

また「審議のまとめ」では、「次期教育課程の方向性に向けて、小学校の教育課程の改善・充実を図るには、弾力的な時間割編成の実践に関する知見の共有とともに、外国語教育に関する教員養成、教員研修及び教材開発に関する条件整備、小学校の低・中・高学年それぞれの課題に応じた指導体制の整備が不可欠である」とし、短時間学習を広くカリキュラム・マネジメントの視点で考えることを求めており、十分に配慮する必要がある。

小学校外国語の教科化に伴う短時間学習の導入に当たっては、以上の点を考慮するとともに、今後、以下の点について研究や研修をしておくことが必要である。

▽短時間学習に応じた教材、さらには教科書の在り方について検討し工夫する。
▽現在のモジュールや帯の時間割を参考に外国語の場合を想定して時間割を研究する。
▽45分などのまとまりのある時間の授業と短時間学習の組み合わせ方を研究する。
▽4技能の学習活動およびその組み合わせ方やICT活用等学習活動の在り方を研究する。
▽専科教員やALTと学級担任の指導の組み合わせや指導体制について研究する。

(担当・寺崎千秋論説委員)

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