【連載】校長を目指す教師のために 第4回 麹中メソッドで再現できる力

生徒はプロによるアナウンサー塾で社会とのつながりを意識した
生徒はプロによるアナウンサー塾で社会とのつながりを意識した

東京都千代田区立麹町中学校長 工藤勇一

 

手段の改善のあり方について示したい。本校では前回示した目標の改善と同様、「社会とのつながり」を強く意識して手段(方策)の改善作業を行った。その方策を「麹中メソッド」として2つの柱に整理した。

柱1=社会で再現できる学び方を習得させる

柱2=社会へのロールモデルを見つけさせる

まず大事にしたいのは、社会の中で繰り返し実現できる学び方(スキル)を習得させていくことである。

現在のような激しく変化する社会を生き抜いていくためには、精神的なたくましさが必要だ。しかし、やみくもに精神論だけを振りかざし、ただただ「チャレンジしなさい」「失敗の経験も大事だ」と励ますだけでは、自律して生きていく力を身につけさせることはできない。困難を解決していくための確かなスキルこそが大切であり、それは繰り返し自律的に経験させてこそ身につくものだと考える。

もう一つ大事にしたいのは、社会に対する期待感をしっかり持たせることである。そして、社会の中での自らの生き方をイメージさせることである。

中学生時代は自らの価値観を築き上げていく多感な時期である。人が価値観を身に付けていく過程を考えてみると、幼い頃は、誰しも親や教師などの「身近な人」からごく自然に価値観を受け入れていくことができるものだ。しかし、成長していくにつれ、「信頼する人」や「尊敬する人」、もっと端的にいえば「好きな人」からしか価値観を学ばなくなってくる傾向がある。そのため、身近な大人にそうした人物がいない場合には、大人に対して批判的な気持ちばかりが生じたり、社会に出ていくのに必要以上に臆病になってしまったりする傾向がある。

人の考え方・生き方はさまざまで、特定の生き方を押し付けることなど到底できるものではない。しかし、素敵なプロフェッショナルとの出会いは、今後の進む方向や生き方を決める助けとなってくれたり、臆病な自分を勇気ある人へと変容させてくれたりすることもある。

本校はどの生徒にも「確かなスキル」と「社会への確かな期待」を身につけさせていくのを目指している。

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