【連載】目指せ管理職 選考試験を突破しようⅢ 第22回 学校運営

教育課程の編成から改善まで
○校長が編成・実施の責任者

学校において編成する教育課程は、学校教育の目的や目標を達成するために、教育関係法に従い、各教科、各領域についてそれらの目標やねらいを実現するよう教育の内容を学年に応じ、授業時数との関連において総合的に組織した各学校の教育計画である。また「生きる力を育む」という理念のもと、学校や児童生徒、地域の実態を踏まえた特色ある学校の取り組みを反映するものでなければならない。

教育課程の編成・実施は、校長の校務であると規定されていることから、組織体である全教職員の協力(主体性と参画意識)のもと、校長が編成・実施の責任者として、しっかりと管理・監督していかなければならない。

○教育課程編成・実施—主体者意識をもたせる

教育課程がねらいに沿って実施されるためには、教職員に対してカリキュラム・マネジメント力を育成するとともに、編成への主体性と実施への参画意識を持たせるのは必要不可欠である。ところが主体者意識が育っていないと、計画は計画、実施は実施と往々にして一貫性を欠いた取り組みになってしまいがちになる。その原因は、組織的、計画的に教育課程の編成が行われていなかったり、トップダウン的に編成されていたり、編成されたことが全教職員の共通理解が不十分であったりすることが挙げられる。

また学年や各教科に関わるものについては、関係教職員(間)の裁量で場当たり的な変更や修正が手続きもなく行われている場合も多くある。

校長は、教頭(副校長も含む)や教務主任を窓口に、教育課程の編成・実施の主体者は、あくまでも組織体である全教職員一人ひとりであり、その編成責任者である校長が管理指導する立場であるという点を周知させておく必要がある。

○教育課程の評価め改善—参画意識をもたせる

教育課程の管理上、編成から実施までについてPDCAサイクルに即して成果と課題をしっかりと評価し、次の編成に役立てたり、教育活動の改善を図ったりしていくことが重要である。また教育課程の評価は、教育課程の実施状況を評価項目ごとに各自が積極的に行うことが、主体性と参画意識を持たせることになり、より望ましく適切な学校独自の編成・改善につながっていくことになる。それゆえ、評価の仕方が形骸化しないように、「学校評価ガイドライン(平成22年改訂)」などを十分に参考にし、より具体的で実効性のある評価項目や指標の設定に心掛けていかなければならない。

また評価のための評価にならないよう、教職員一人ひとりの思いや発想なども率直に表明でき、「不易と流行」も踏まえながら、改善について臆せず話し合える雰囲気や体制づくりも重要であり、学校運営の中で組織的・計画的に進めていくことが大切である。

○次期学習指導要領を踏まえ—学校の体質をどう変えるか

教育課程は、教育目標の具現化のために編成される。目的は「子供たちのために」どう効果的に編成するかである。実施段階では、例えば学力向上のためには、「授業改善」をどう進めるかが重要となる。

現在、学習指導要領の次期改訂に向けて「アクティブ・ラーニング」と「カリキュラム・マネジメント」が、教育課程の車の両輪として示されている。このような教育の動向をしっかりと捉え、その実施に向けての自校における現在の状況や努力事項などをいち早く検討し、改訂の方向性を踏まえた移行的な対応も盛り込んでいくのが大切である。

中教審からは「社会に開かれた教育課程」の実現をということが、教育課程の理念として示されてきている。これは、「地域に開かれた学校」から「地域とともにある学校」へのシフトが、十分でないことへの警鐘ともとれる。まもなく示される答申を再確認しながら、「なにができるようになるか」「何を学ぶか」「どのように学ぶか」という改訂の視点を踏まえ、「社会に開かれた教育課程」の全体的な構造や具体的な内容の理解を、全教職員で進めていくことが重要である。

次期改訂に向けて、教育課程編成の主体性と参画意識を育成するには、まさに現在が好機といえる。校長は、教育の動向を踏まえながら、児童生徒や教職員の意見、保護者の願い、社会的な要請など総合的に判断できるドライバーとして、学校経営のブレーキとアクセルの踏み分けが問われることになる。要は学校の体質をどう変えられるかである。

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