【連載】校長を目指す教師のために 第5回 社会で再現へ 個の学び方①

東京都千代田区立麹町中学校 工藤勇一

 

評価方法が相対評価から絶対評価に替わって以降、多くの教師が関心・意欲・態度を評価するために生徒のノートを集めるようになった。その結果、「ノートをとる」生徒の目的意識が、「勉強のために後で見返すため」から「関心・意欲・態度の点をもらうため」に変化してしまったように私は感じている。そもそも見返さないノートをとらせるのに、どれだけ価値があるのだろうか。

この課題にメスを入れた当校の取り組みを紹介したい。

当校では「麹中メソッド」の重要な柱である「社会で再現できる学び方を習得させる手法」を「個の学び方」と「協働の学び方」の2つに分けて整理している。そのうちの「個の学び方」の取り組みを示す。

「個の学び方」として特に重視しているのが「フレームワークを活用するスキル」である。昨年度から、日々の授業のノートと手帳活用にフレームワークを用いている。ノートについては、ビジネス経営コンサルタント高橋政史氏の協力を得て、各教科で使えるフレームを1年かけて開発した。手帳はNOLTYプランナーズのスコラ手帳のフレームを利用している。

m20161114_02図はノートの基本フレームである。生徒はA4サイズの方眼ノートを見開き両面で(1)〜(5)のフレームに分ける。始めに授業のねらいを左ページのフレーム(1)に記入し、順次フレーム(2)に板書を記入していく。次からが重要な作業となる。生徒は随時、自分が重要だと考えた事柄や疑問点を右ページのフレーム(3)に抜き出していく。フレーム(4)には解決したまとめ等を記入する。そして、最後にフレーム(5)。ここには授業全体を3ポイントに自分の言葉で要約する。

多くの生徒がフレームを活用することで、情報の重複や漏れを無くし、自らの思考を整理できることや、結果としてより速く正確に判断できるようになっているのを、日々の経験を通して実感している。そして、ノートや手帳を自分の意思で見返すようになっている。また付箋やマーカーを自分なりのルールを決めて用いるなど、それぞれが見返すのを意識し、工夫する姿が見られるようになってきた。

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