【連載】活躍する退職校長会(10)徳島県退職校長会

子ども歩き遍路/平成27年2月、徳島市加茂名小学校の遍路遠足
子ども歩き遍路/平成27年2月、徳島市加茂名小学校の遍路遠足

子ども遍路ツアーで体力向上
1.遍路遠足を企画・支援

徳島市退職校長会の活動に焦点を当てます。徳島市退職校長会は会員の研修と相互の親睦を図り、併せて本市の教育振興に寄与することを目的に、昭和39年4月1日に発足、現在313人の会員で多様な活動を展開しています。

今回、教育振興、教育支援の活動として取り組んでいる「子ども歩き遍路ツアー」「遍路遠足サポート事業」について報告いたします。

「四国八十八ケ所は前から知っていて、実際に歩いてみると、とても大変だなと思いました。それぞれのお寺にはそれぞれの見どころがあり、いろいろな発見やエピソードもあって楽しかったです。心に残る思い出になりました」。

これは、歩き遍路遠足を実施したあとの、子供たちの感想のひとつです。地域の文化遺産にふれるとともに、その地域の文化を発信できる子供を育てたい、さらには、歩くことの楽しさ・充実感、粘り強い心・たくましい心の育成、結果としての体力の向上を目指して「子ども歩き遍路ツアー」を始めて8年、「遍路遠足サポート事業」を始めて5年になります。

徳島市内の小学校にチラシを配り、希望する子供やその保護者を対象に始めた「子ども歩き遍路ツアー」は、最初は人が集まらず、知り合いの方々に手伝ってもらって実施しました。会を重ねるにつれてリピーターが増えてきたので、3つのコースを設定し、年次ごとに実施しています。

もっと多くの子供たちが地域の素晴らしい文化遺産に触れるとともに、子供たちの生活の中でもっと歩くことの楽しさを味わわせたいと、学校行事の遠足を「歩いて」お遍路する、お寺巡りをしてはどうかと提案しました。子供たちの体力の低下が話題になっていたときでもあり、また四国遍路を世界文化遺産登録への動きもあり、5年前に徳島市八万南小学校の6年生約130人が初めて取り組みました。
八万南小学校の遍路遠足のコースは、学校から弁天山(日本一低い山6.1メートル)→18番札所恩山寺→19番札所立江寺までの約15キロを歩きます。途中、恩山寺や立江寺、源義経について学びます。帰りはJRに乗って立江駅から文化の森駅(八万南小学校の校区内にある)まで移動して下車、そこで解散するという1日日程の遠足です。

実施に向けて、学校の先生方とコースの下見を繰り返し行いました。(1)安全なコースの設定(2)トイレの確保(3)休憩や昼食の場所の確認(4)緊急時の対応(5)天候の変化への対応——などを検討しました。

2.四国遍路を海外に発信

平成27年度は、6小学校と1主催事業で、約650人の子供たちと歩きました。多くの小学校が参加しやすいように、3つのコースを設定しました。平成28年度は、新しく4小学校で「歩く遍路遠足」の計画が進んでいます。総数約1千人の子供たちの、歩く遍路遠足の活動のサポートになりそうです。さらに、子供たちから楽しかったという話が保護者に伝わり、PTA活動として親子で「お寺巡り」をしたいとの申し出があり、サポートする予定です。

また子供たちの歩いた体験を生かして、子供たちが「お接待」をする、その活動を学校のカリキュラムに位置付け、学校の教育活動の柱にと考え、計画を進めている学校もあり、そのお手伝いをさせていただくことにもなりました。

現在、支援の体制として、徳島市退職校長会には教育支援部があり、そのメンバーが中心となり、都合のつく会員が手伝い実施しています。活動が多岐にわたりメンバーの高齢化が進んでいる現状もあり、次世代にどう引き継ぐかが検討課題でもあります。

子供たちが活動する社会は、今よりグローバルな社会になると考えられます。そこで、お寺の由来や弘法大師の業績などを英語と日本語で話し、将来、子供たちが世界の人々に「四国遍路」を発信できることを夢見ています。子供たちに関わることで子供たちから元気をもらい、それが私たち自身の元気の源になっています。

(担当・濱尾巧久)

あなたへのお薦め

 
特集