【連載】教育現場の課題をひもとく 特別編 キーワードで読む「次期学習指導要領・審議のまとめ」(14)

監修 教育新聞論説委員会

 

12の主要点を踏まえて <その2>
特色の継承と学校改善の好機

12のキーワードから、次期学習指導要領の特色と各学校で取り組むべき見通しを整理してきた。前回の11月17日付号に引き続き、主に学校運営を担う管理職が何をどのように準備していけばよいのかをまとめていく。

◆各学校の教育課程の示し方を検討

新学習指導要領が、目標としての資質・能力を教育課程全体で実現していく仕組みを備えようとしていることを踏まえ、各学校の教育課程の示し方について、検討を進める。

各学校の教育課程は、これまでの教育課程に関する法令を踏まえながら、学校教育目標の下、授業時数や各教科等の指導計画、道徳教育等の全体計画、学年や学級の経営計画として示されてきた。今回の改訂が、資質・能力達成型の教育課程を目指しているのを踏まえると、目標が学校の教育活動のどの場面で実現されようとしているのか、この回路と道筋を計画的に設定することが求められる。

具体的には、各教科等の指導計画や全体計画の様式の工夫改善を検討することが考えられる。各教科等ごとに”閉じた”計画ではなく、教育課程全体が目指す狙いをどのように受けて、実践に具体化するのかが分かる様式および形式を開発したい。また資質・能力の育成指標を教科ごとだけでなく、学年段階ごとに目安として示すのも、有効な視点である。

◆教科等の教育指導の在り方を捉え直す

今回の改訂においては、教育課程が目指す資質・能力と各教科等の教育指導をつなぐものとして、「教科等の見方・考え方」が示される。この見方・考え方は、新課程にだけ適用されるものではなく、現行教育課程においても十分に使えるものとなっている。

見方・考え方とは、それぞれの教科等が備えている固有の視点や学び方であり、実際の授業において有効に”働かせる”ものとされている。

教科等の日常の指導に当たっては、個々の事項の指導に重点が置かれるのは当然のことであるが、その際にも、教科特有の見方・考え方に照らしながら、授業の工夫改善を進めようにしたい。

また見方・考え方を用いて学校段階ごとの系統性や関連性を把握し、義務教育全体を見通した指導や中等教育を見通した授業構成に生かすようにしたい。

◆学習評価の改善充実

学習評価については、従前と同様に、観点別評価と評定が、目標準拠評価として実施される。ただ、教育課程の構造が資質・能力達成型になり、しかも、カリキュラム・マネジメントを生かすためには、適切な学習評価が行われることが必要である。

今回の改訂では、これまでも用いられてきた学力の三要素が、教育課程全体を貫き、学習評価においても三つの観点が用いられることが予想される。特に三つ目の主体的な学習態度については、現在の「関心・意欲・態度」の評価を引き継ぐことになる。

ただ、この観点の評価については、評価方法の在り方や評価の信頼性・妥当性の点で、これまでも課題とされてきた経緯がある。現行課程で進められている「関心・意欲・態度」の評価方法を授業の在り方と合わせて見直し、吟味点検することが大切である。

◆学校改善の機会にするとともに、よりよい取り組みを継承する

学習指導要領の改訂を、各学校のこれまでの取り組みの見直しを含む学校改善の機会とすることが大切である。現行学習指導要領の趣旨が日常の教育実践に浸透し、定着しているか、教育実践の結果が学習評価にどのように表れているか、教育課程の評価と改善はどのような体制で進められてきたか、といった事柄について整理することが必要である。

また教育課程の改訂にかかわらず、継続すべきよりよい取り組みを明確にし、引き継いでいくことも大切である。

今回の改訂を学校の特色を継承しながら、学校改善の機会として生かすようにしたいものである。

(担当・工藤文三論説員/この稿おわり)

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