【連載】教育の落とし穴 子どもの安全・安心を考える ⑦ 不登校を「見える化」する

名古屋大学大学院准教授 内田良

 

■「不登校」の詳細が明らかに

平成27年度の出席日数が10日以下の子供は、全国の小・中学校で1万3千人に達することが、文部科学省の「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」(10月27日公表)で明らかになった。これまで不登校として数え上げられたのは、年間30日以上の欠席者のみであった。だが今回はそれに加えて、「90日以上欠席している者」「出席日数が10日以下の者」「出席日数が0日の者」も計上されるようになったのである。

同調査では、「不登校」は、「30日以上の、何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しないあるいはしたくともできない状況」と定められている。「病気」や「経済的理由」による欠席は「不登校」には当たらない。

この「30日以上」というのは、年間の登校日が約200日であるのを踏まえると、1カ月(登校日としては約20日)のうち3日休めば「不登校」の扱いになりうるということである。「不登校」という言葉がもつニュアンスに比べると、休みの日数は少ないと感じられるのではないだろうか。

■出席「10日以下」が1万3千人

今回の調査からは、小・中学校の不登校12万6千人のうち、「90日以上欠席」が7万2千人に達することが分かった。不登校とされる子供のうち約6割は、年間の半分近くを欠席しているのだ。ほぼ学校に通っていない状況だ。さらに「出席日数が10日以下」の子供も1万3千人いる。

不登校の子供の教育機会を確保するいわゆる「多様な教育機会確保法案」が11月18日、衆議院文教科学委員会を通過した。これは不登校の子供を支援してきた関係者の間でも賛否が分かれる法案であった。

これまでグレーゾーンであった不登校の子供の学びや生活に、国が一層介入することになる。是非の評価は難しいものの、だからといってグレーゾーンをそのまま放置しておくわけにもいかない。グレーな実態を「見える化」させつつ、継続的に議論を進めることが肝要である。

不登校児童数

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