【連載】目指せ管理職 選考試験を突破しようⅢ 第25回 職員が自ら動く意欲を高める

○個々の教員の資質・能力の発揮を

学校教育において最重要課題の一つは、直接児童生徒の教育にあたる個々の教員が、その資質・能力を十分に発揮して職務を遂行しているかどうかであろう。教員が教育をする手応えをしっかりと感じながら、我を忘れ、楽しく、積極的に勤務に励むような学校経営を目指したいものである。年度の後半に向け、経営を見直すためのポイントについて述べてみたい。

○職員の意欲の高揚を図る

職員が、指示されて動くのではなく、自らがすべきことを感じ、考え、判断して前向きに児童生徒の教育に励む職場は、活気にあふれ、充実した教育が実践されるであろう。そのためには、職員の勤務に対する意欲を高める手立てが必要である。その一つとして、生徒指導の考え方や手法を応用することがよいであろう。すなわち、職員に対しても生徒指導の機能(自己決定の場を与える・自己存在感を与える・共感的人間関係を育成する)を働かせることである。

具体的には、(1)職員の意見を発表する機会や職員のアイデアを生かした活動が実践できる場をできる限り多く設ける(2)職員の努力や成果を適切に評価し、努力や成果の跡が目に見える形で表れるようにする(3)職員の悩みなどをわが身のことのように感じ、職員に寄り添い、対応する——などが挙げられる。

○働きやすい職場環境を整備する

次のような職場環境を、理想として整備していきたい。

▽組織としての目標や達成の方法が全職員に明確に示され、理解・納得されている。
▽職員の熱意から湧き出るアイデアが実現できるような設備・備品・予算等の工夫・努力がなされている。
▽校内人事が職員の個性や能力・人間関係・キャリアや今後の資質向上等を配慮しバランスよく配置されている。
▽些細なことでも、チームとして組むように組織化する。
▽職員の仕事量が偏らず平等する。
▽職場が自己を高める場になっている。
実現を目指し、不断に工夫・努力することが肝要である。
○管理職の職員理解と自らの資質向上

職員が熱意を持って働く学校をつく創るために、管理職に必要なのは、職員を深く理解することと自らの資質向上に努めることであろう。

管理職が職員を多面的に理解し、適材適所の職員配置、職員間の人間関係の調整、職員へのきめ細かな指導や育成などがよりよくできる。そのためには、日頃から職員を細かに観察すること、目標申告や諸経営案・指導案・記録簿等の内容から職員の資質・能力をしっかりと見取り、個々との会話・協働作業・レクリエーションなどの場を多く持つ工夫をすること。また児童生徒・同僚・保護者・地域住民・関係機関などからの情報も大切にしたい。

さらに、職員会議や研修の内容に、輪番で、の自由テーマについてのスピーチやレクチャーを入れたり、さまざまなアンケートの実施、意見を吸い上げる場を作ったりする取り組みも、職員理解の深化につながる。職員理解は、温かな目、長所を逃さず把握する姿勢が望ましく、粗探しになってはならない。そして、職員の心に響く言葉かけや対応をしていくことが重要である。

学校教育が扱う分野は限りなく広く、教育に関する考え方も多様な時代である。このような状況下で、職員をまとめ、やる気を出させ、教育を合理的に実践するためには、管理職に、広く深い教養や専門知識・技能が備わっていなければ難しい。管理職自らに、指導や校務をこなすさまざまな能力があり、職員に手本をみせたり、困難な問題を解決したりする。そのような管理職のアドバイスや指導・指示は、職員に素直に理解されるであろう。

また管理職が自分自身の専門分野を広げる努力を継続し、社会の動きに関心を持ち、社会への洞察力を高め、人間の生き方などに思索を深めることである。それらを通して、幅広い世界観・人間観・教育観を有し、さらに、人間性をより豊かにするよう努める姿勢が必要である。

心に染みるような言動で職員を啓発し、管理職への信頼感が増し、共によりよい学校づくり、充実した教育実践に前向きに取り組むことができる。

あなたへのお薦め

 
特集