【連載】校長を目指す教師のために 第7回 クエストエデュケーション

クエストエデュケーションとして街頭で調査活動
クエストエデュケーションとして街頭で調査活動

東京都千代田区立麹町中学校 工藤勇一

 

「協働の学び方」として、第2学年で実施している「クエストエデュケーション」と「スキルアップ宿泊」を取り上げる。

まずクエストエデュケーションだが、このプログラムは全国1万人を超える中高生が参加するキャリア教育プログラムである。生徒たちは4月から翌年1月までの約1年間、授業時数にして25時間超、実際の企業でのインターンシップを模擬体験していく。今年度の協力企業は、カルビー、オムロン、クレディセゾン、大和ハウス、テレビ東京、富士通の6社。

最前線で活躍する各企業から出される「ミッション」が教材となっており、同じ企業に模擬入社した1チーム5、6人のグループの仲間と協力してミッションに取り組んでいく。生徒たちはこの体験を通じて、社会や経済の仕組みに触れるとともに、働く意義や楽しさ、大変さを学ぶ。

プログラム終盤、各企業から新プロジェクトの企画提案を求める最終ミッションが提示される。優れた企画は全国大会でのプレゼンテーションの権利にもつながっており、生徒たちはこの最終ミッションを解決すべく、チーム内でかんかんがくがく話し合い、企画をまとめ上げていく。

この活動の最中、どのチームでも意見のぶつかり合いが起こり、話し合いがまとまらない状況が続いていく。当然だが、時々感情的になるトラブルも発生する。

これが、前回述べた、まさに「対立」の経験である。「対立を受け止め、感情をコントロールしながら、異なる考えをまとめていく」。この難しさを生徒たちは、嫌というほど実感していくこととなる。

当校ではこれを助けてくれる技術として、ブレーンストーミングやKJ法といった思考ツールを生徒たちに学ばせている。今年度は、ここに主眼を置いた宿泊行事「スキルアップ宿泊」を民間企業(教育と探求社)の協力を得て開発した。7月には2泊3日の日程で初めて実施したが、どの生徒にとっても達成感いっぱいの意義深い活動になったと実感している。

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