【連載】ミドルリーダーの学校経営 ⑦ 教員は対等な学びあいで育つ

東京大学大学院教育学研究科教授 勝野正章

 

教員の「学びあい」(校内研修・研究)は、ミドル・リーダーが中心となって活躍するのが期待される場面の一つであり、ミドル・リーダーが育つ格好の機会でもある。筆者が昨年まで共同研究を行っていた特別支援学校では、「2年目からは、もうベテラン」と言われるほど若手教員の成長が著しかった。この学校では、教員の自主的・主体的な「学びあい」の中でミドル・リーダーが育っていたのである。

例えば、この学校では夏季休業中に、教員が自分の得意分野について講師を務める自主研修会が盛んに行われていた。毎回、多数の教員が参加していた。自分の得意分野を申告し、登録する「人材バンク」が作られており、校内研修・研究だけでなく、校外からの講師派遣要請にも活用されていた。年齢や経験年数にかかわらず、どの教員も自然体で、自分の強みを生かして「学びあい」のリーダーになれるのである。

同僚教員に対する支援が日常的に行われているのも、他校にはあまり見られない、この特別支援学校の特徴であった。

相談・支援部や自立活動部の教員は担任を持たず、学部主事・副主事、教務主事・副主事、コーディネーターらとともに同僚に対する支援チームとして活動していた。

筆者が特に注目したのは、その組織的な支援体制だけでなく、支援が決して「指導する―指導される」との上下関係ではなく、あくまでも対等な関係性の下で行われていた点である。その秘訣は支援する側が自ら率先して授業を公開するなど、上から指導する立場ではなく、共に学んでいこうとの姿勢に立っているところにあった。

そのために全ての教員は学びあいの互恵性を実感でき、ちゅうちょなく自分の弱点をさらけ出せた。このような水平的な学びあいが学校文化として根を張っているからこそ、他校であれば異例に見えるほど若い教員が研究主任を務めるなど、ミドル・リーダーが育っていたのである。

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