【連載】目指せ管理職 選考試験を突破しようⅢ 第27回 教育力の継承で若手を育成

○「若手教員の育成」は学校経営の柱

現在、多くの学校で、新採用教員の増加に対して中堅教員の少なさによる年齢構成のアンバランスが起きている。そこから、さまざまな課題が生じている。若手教員の増加は、自校の教育力をいかに継承し、教育レベルを維持発展させるかとの深刻な課題を伴っている。その意味から、「若手教員の育成」は学校経営の柱ともなっている。その若手教員の育成のスタートは、初任者研修であり、その後の育成の基盤となる大事な研修である。

○初任者研修で校長は何をねらうか

▽初めが肝心、初任の時期
 校長は、初任期に培うべきことをしっかりと見据え、徹底した指導・助言を続けたい。
 ▽職務の遂行に必要な事項
 教科指導、生徒指導、学級経営等、教職一般ついての遂行能力を持つ。
 ▽使命感、積極性
 教育公務員としての使命感や分からないことは聞く、時には失敗を恐れずにチャレンジする態度。まずやってみる姿勢を持つ。
 ▽適応性
 状況判断をよくし、うまく集団の中で活動できるようにする。
 ▽社会性
 他者に対し社会人としての常識を持って接することができる。
 ▽人間性
 常に自己を磨き、子供たち、保護者、教員仲間から信頼される。
 ▽自己研さんへの取り組み意識を各教員に育む
 初任者研修の充実には、他の教員の協力が必要である。この取り組みを通して、全教職員の自己研さんへの自覚を促すとともに、校内研修への意欲を高め、一人ひとりの資質向上に結びつけたい。

○初任者・初期層研修の充実に向けて

▽初任者研修は形骸化していないか
 初任者研修が制度化され、30年近くが経過した。そして現在、教員の大量採用期を迎え、この研修の実態を見直し、より有効となるよう改善することが求められている。見直しもせずに、毎年同じやり方や内容を繰り返しているとすれば、形骸化は免れない。新採用教員の様子や実態に沿った研修となっているか、自校の研修実態をチェックしなければならない。
 ▽「現場で育てる」との校長の姿勢が大事
 初任者研修を含め、「教員は現場で育てる」という校長の姿勢が重要。校外研修に頼りきってしまうなどしてはならない。この校長の基本姿勢が、全職員の研修への意識の強化や校内体制を整えるための基盤になると自覚したい。
 ▽初任者研修とリンクし、初期層研修の充実を図る
 初任者研修を1年間の完結型の研修と捉えず、引き続き初期層に求められる研修の一環として、次の点に留意して計画的に実践したい。

◇各研修での獲得目標を明確かつ具体的にし、研修内容・方法を決める。
 ◇授業研究、生徒理解など実践的な研修を重ねる。また他の教員の協力を得て、組織的に取り組むことで多様な研修と研修の質の向上を図る。
 ◇初任者の意欲を前面に出し、まずやらせてみる。
 ◇管理職は、平素から授業を参観し、気付いた点や改善点などについて具体的に指摘し、指導する。
 ◇指導教員任せにせず、皆で関わり、管理職は支援者となりフォローする。
 ◇同学年、同教科の教員は特に関わりを密にして、相談に乗れるようにする。


[参考法令]

 教育公務員特例法(初任者研修)

 第二十三条 公立の小学校等の教諭等の任命権者は、当該教諭等に対して、その採用の日から一年間の教諭又は保育教諭の職務の遂行に必要な事項に関する実践的な研修(以下「初任者研修」)を実施しなければならない。
 2 任命権者は、初任者研修を受ける者の所属する学校の副校長、教頭、主幹教諭、指導教諭、教諭、主幹保育教諭、指導保育教諭、保育教諭又は講師のうちから、指導教員を命じるものとする。
 3 指導教員は、初任者に対して教諭又は保育教諭の職務の遂行に必要な事項について指導及び助言を行うものとする。

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