【連載】ミドルリーダーの学校経営 ⑧ 中堅層の孤立防ぐ同僚性

東京大学大学院教育学研究科教授 勝野正章

 

第6回でも既に言及したが、昨年12月の中央教育審議会答申「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について~学び合い、高め合う教員育成コミュニティの構築に向けて~」は、学校が直面する課題の複雑化・多様化に対応するために教員の生涯にわたる学びをより一層促進する必要があるとして、教員研修の拡充を図るとした。

なかでも「教員は学校で育つ」との認識の下、校内研修の質的・量的充実を重視する方針を打ち出している。すなわち、国や教育委員会は「ベテランの教員やミドルリーダークラスの教員がメンターとして若手教員等を育成するメンター方式の研修等の先進的事例を踏まえた校内研修の充実を図る方策について検討」し、学校では「校長のリーダーシップの下、研修リーダー等を校内に設け、校内研修の実施計画を整備し、組織的・継続的な研修を推進」するなどとしており、ミドル・リーダーの活躍に期待が寄せられているのが分かる。

こうした政策動向の中で、校内研修に限らず、学校運営のさまざまな側面でミドル・リーダーの活躍を促す条件とは何かを改めて考えてみる必要があろう。既に主幹教諭や指導教諭との新たな職が設けられ、校内研修リーダーの職責も早晩導入されるが、そうした職や各種主任などの職責の整備は、ミドル・リーダーの活躍にとって必要条件であっても、十分条件ではない。

教員が互いに仕事の意義を認め合い、互恵的に学び合うのが当たり前とされる関係性や文化が希薄な学校では、ともすれば「あの人は主幹教諭(指導教諭)だから、より大変な仕事をするのが当然」との分断的な雰囲気になり、ミドル・リーダーが教員集団の中で孤立しかねない。

管理職と比べて公式的な地位や権限の点では曖昧さが残るミドル・リーダーにとって、同僚からの承認は特に大きな意味を持っている。

ミドル・リーダーの活躍は、教員の同僚性にかかっているのである。

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