【連載】教育の落とし穴 子どもの安全・安心を考える ⑨ 部活動改革は前進するか

名古屋大学大学院准教授 内田良

 

■「部活動改革元年」を振り返る

平成27年12月、若手・中堅の教員ら6人で構成される「部活問題対策プロジェクト」が結成された。「部活問題」とは、「部活動によって引き起こされる多様な負の側面」を総称するもので、その負の側面が「教師、生徒、保護者、教師の家族などに、さまざまな不幸をもたらしている」とされる。

昨年の同プロジェクトの活動は目覚ましかった。各種メディアからの取材に積極的に応じながら情報を発信し、さらにはウェブ署名活動を展開して、署名簿を文部科学省に手渡した。学習院大学の長沼豊教授は、この年を「部活動改革元年」と名付けた。

プロジェクトの先生たちの活躍によって、部活動の問題は、広く世間に認知されるようになった。その過程で部活動の在り方は、日本社会の働き方の問題とも重ね合わせられた。教員や生徒が半ば強制的に部活動に時間を奪われている実態は、「ブラック部活」と語られたりもした。部活動の在り方は、もはや「教育問題」の枠を超えて「社会問題」として議論されている。

m20170112_01■自分に何ができるか

この時代のうねりを受けてだろうか、「いま自分に何ができるか、アドバイスが欲しい」という声を、私は講演会の場で頻繁に受ける。どんな啓発活動も、最初、ほんの小さな情報発信から始まっている。それが少しずつ共感を得ながら、時にマスコミやウェブに大々的に取り上げられて、仲間が増えていった。

プロジェクトのメンバーであるゆうけん氏は、自身のブログで次のように述べている—「Twitterで専用のアカウントをつくり、プロフィールに『部活問題に関心あり』と書いて、現状についてつぶやくだけでも構いません。また、誰かのツイートを読んでリツイートするだけでも構いません。(略)そんな小さなことの積み重ねが、今日までのメディア報道を作り上げていることを知ってください」。

部活動改革の行く末は、私たち一人ひとりの手に握られている。