【連載】目指せ管理職 選考試験を突破しようⅢ 第28回 PTAと校長の役割

○望ましい関係をつくる

学校教育は、PTAや地域との連携の中でより成果を上げることができる。特に、校長にとって、PTAとの連携や望ましい関係をつくっていくことは学校経営上の大きな課題となる。4月、5月のPTA総会の時期になると、「任意加入の問題」「会費納入の問題」「役員決めの問題」などなどが社会問題となり、話題になることがある。

校長として、PTAとどのように向き合って学校運営をしていけばよいか考えてみる。

○法的にPTAとは何か

PTAは保護者と教職員で構成され、児童生徒の健全な育成を図るための活動を行っている「社会教育関係団体」の1つである。この団体(PTA=Parent-Teacher Association)は、任意加入の団体であり、結成や加入を義務付ける法的根拠はなく、全ての児童生徒の健全育成のためにボランティアで活動を行っている。当然PTAは、「公の支配に属さない」自主的な民間団体であり、教育委員会や学校は、PTAに対して統制的支配や干渉をしてはならないと社会教育法で明確に規定されている。

校長は、PTAが学校にとって都合のよい下請けをする援助団体ではなく、児童生徒をより良くしていくための同等なパートナーであると確認する必要がある。

[参考]社会教育法第10条(社会教育関係団体の定義)
この法律で「社会教育関係団体」とは、法人であると否とを問わず、公の支配に属さない団体で社会教育に関する事業を行うことを主たる目的とするものをいう。

○学校もPTAも目的は共通

より良い学校にして児童生徒の健全な育成を図るのは、校長、教職員や保護者の共通の願いである。各学校では、協力・連携による児童生徒のための活動が続けられているが、現実には、冒頭に述べたような問題が生じている。それらを克服するためには、「子供のために、一緒になって、より良く育てる」という共通の目的達成のために、教職員一同は、PTA活動に感謝しながら教育活動に取り組むことが大切である。

○校長の立場—注意して行動

学校の行事や運営に協力してくれることを当たり前だと思わず、感謝する態度をもち、PTA行事には積極的に参加して協力する姿勢が必要である。またPTAからオブザーバーとして意見を求められるときはよいが、役員選出、行事・運営などへの不当な口出し(介入)はしてはならない。役員などとの懇談会などで飲酒等の機会もあるが、時間、場所、態度などで非難されないように注意して行動することが大切である。

○校長の役割—目的、目標、方法の共有

校長は、PTAと良好な信頼関係をつくるためには、互いの情報を共有することが大切である。校長はPTAを通じて、学校の教育方針や現状、学校評価の説明など、児童生徒に関わる正確な情報を発信し、保護者から十分な理解を得るようにしたい。またさまざまな教育問題に対して、PTAと協議の場をもち、同等な立場での話し合うなどを積極的に行うことが必要である。

その際は——。

▽目的の共有(児童生徒をよりよくする目的の共有)
▽目標の共有(どのような児童生徒に成長させるかの目標の共有)
▽方法の共有(学校・PTA相互の役割・方法をそれぞれ持ち、共有)

以上の3点を押さえて実施するとよい。

PTAに対しては、一部ではなく、保護者全体の意見を踏まえながら学校に協力していただくことや、学校での教育と一貫性を持った各家庭での取り組みを要請することが必要である。さらに、PTA活動の中に地域住民を取り込み、PTAが核となって保護者・地域住民の学校教育への参画を促すよう取り組みたい。

学校によっては、PTAに類似した保護者会などもあるが、それぞれに関係づくりに工夫したい。