【連載】学校管理職の危機マネジメント10 1月 人材育成の基本を踏まえる

校長には教育者、経営者、管理者としての三つの顔があり、必要な資質・能力を高めることが求められる。人材育成に際してもこれらの三つの側面から的確・適切な指導助言や育成を行うことが大切である。いわば掛け算であり、どれが欠けても0になり、効果は薄くなる。

教育者としては自ら長い教職経験に基づく経験則とともに、これまでに学んだ知見や先端の見識と、これらに基づく教育思想などを有している。経営者としては現実把握力に基づく経営ビジョン・方針を具現する統率力や決断力を有し駆使して改革を進めていく。管理者としては現状がベストの状態になるよう目配り・気配り・諸手配を確実に行う。人材育成に際してもこれらの顔・側面から自らの資質・能力を高めながら実践したい。

第一が「率先垂範」である。すなわち、三つの顔・側面、さらに言えば校長としての機能・働きの姿をしっかりと示すことである。進んで実行・実践することであり、モデルとしての姿を見せること、校長として、リーダーとしてやるべきことをやる、である。

第二が「師弟同行」である。学校経営方針の実現に向けて一緒の方向に共に歩むということである。そのためには意見交換や議論も必要である。ここで見識や哲学が滲み出る。また、ESDやインクルーシブ教育、AIへの対応などは新しい教育課題であり協働的な取り組みが必要である。共に学び知恵や技能を出し合って課題解決していくようにする。

第三は「そったく同時」である。教員の内に育ちつつあるものや内発的動機を見いだし引き出す。そのためには教師一人ひとりをよく見て、よく話を聞くことである。「聞く:話す=8:2」でよい。よく聞いて何を育むかを捉え、今というチャンスを大切にする。

以上の三つの関わり方は一つの例である。校長として教員にどのように関わるか、三つの顔・側面を駆使し、自らの関わり方・方針をもって意図的・計画的に育成していこう。

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