【連載】若手を育てる学校経営マネジメント 第9回 個別指導(週の指導計画)

明星大学教育学部特任准教授 深井薫

 

なわとび集会
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管理職は、教員の人材育成が重要な職務の一つである。教員は学校経営案や学校経営計画などをもとに、学級経営案を作成する。学級経営案と年間指導計画に基づき、日々の地道な教育活動を実践している。児童の成長を支えるのは、一人ひとりの教員である。その日々の教育実践の計画と記録が、週の指導計画(週案)に記入されている。毎週提出される週案を読んだら、季節にあった明るい色柄の付箋にメッセージを書いていく。校内巡視をしながらの授業観察と、週案から各教員の成長点や、課題点について、良いことをはじめに、その後に課題や注意点などを行動に移せるよう具体的に書き記した。

私が教諭の頃、校長からの週案への一言が、後になってから、あの時の言葉はこのことだったのかと思い出す機会が多くあり、自分が成長できた喜びをかみしめたものだ。きっと校長は、それを見越して言葉のタネをまいてくださったのだと思う。それに倣い、教員に役立つよう努力してきたつもりである。

思い起こすと、副校長のときから全教員の週案を見てきた。教員が付箋を読んで、翌週返事が書かれていたり、校長室に話に来たり、交流が生まれた。児童が、よい行いをしていたら、全校朝会で紹介したが、週案にも担任にそのことを知らせ、児童とともに、教員の学級経営をたたえるようにした。

さらに、授業観察で改善されていれば褒め、努力をたたえ、元気づけてきた。失敗してしまった教員には、無地の地味な付箋に注意を書き、はがせるように配慮した。週案に貼った付箋は週案が返されたら、すぐはがすかと思いきや、大切に貼ってあるのを見ると、私もうれしかった。週案での指導は、個別の課題に多く活用した。若手教員に対しては、授業での発問や児童理解、朝や帰りの会の指導、給食当番への指導等々、個別具体的な内容について多く記した。中堅教員に対しては、学年指導の在り方や、校務分掌の担当職務についての指導が多かった。

全体の指導とともに、個々の指導もきめ細かにしてきたつもりである。教員の成長は個人差も大きく、一朝一夕には目に見えてこない場合が多い。しかし、2年、3年と年月を重ね、大きく成長した教員を見るとうれしく、管理職になってよかったと思ったものである。管理職希望の教員が少ない昨今、責任の重い仕事ではあるが、視野が広がり、教諭の充実感とはまた違ったやりがいがある。

児童と教員の自己実現のために、管理職になってほしい。公立学校の教員から退いた者の、切なる願いである。