【連載】ミドルリーダーの学校経営 ⑨ 教員の学びを支援する役割も

東京大学大学院教育学研究科教授 勝野正章

 

秋田喜代美東京大学教授が随所で指摘している通り、職員室の学びと教室の学びは往々にして同型である。すなわち、教員が自然に学びあい、支えあっている学校の教室では、子供たちによる協働的な学びが展開されているのである。

前回、こうした教員の関係性、すなわち「同僚性」がミドル・リーダーの活躍を左右する条件であると述べた。ここでの同僚性とは「教職員が職場で互いに気軽に声をかける・声をかけられる、相談し・相談される、教える・教えられる、助ける・助けられる、励まし・励まされる、褒める・褒められる、癒す・癒されること」(浦野東洋一『開かれた学校づくり』同時代社)のような意味である。

そして、このような教員の関係性の形成において、とりわけ重要な役割を担っているのが、「職員室の担任」と称されることもある副校長・教頭である。

「職員室の担任」という言葉には、教員の世話役としての側面と、教員の学びの支援者としての側面の両方が込められている。つまり、副校長・教頭には、一人ひとり個性的な存在である複数の教員たちから成り立つ職員室を一つにまとめ、教員同士の良好な人間関係保持に心を砕くとともに、学校という職場が互恵的な学びあいの場となるように努め、教員を育てるのが期待されているのである。

教員の学びの支援者という役割について、もう少し具体的にいえば、それは教員の自主的な学びを見いだし、評価(褒め、奨励)するとともに、貴重な時間やその他の資源を可能な限り教員の学びあいに振り向けることであり、また学びあいへの参加が自然と広がっていくための環境整備を行うことである。

実際、全国公立学校教頭会が毎年実施している調査によれば、副校長・教頭はこの期待に応えようとしている。「教職員の評価・育成」「職場の人間関係づくり」「校内研究・研修」は「もっと多くの時間と労力をかけたい」職務の最上位をいつも占めてきた。

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