【連載】若手を育てる学校経営マネジメント 第10回 個別指導・授業観察と指導

明星大学教育学部特任准教授 深井薫

 

交通安全教室
交通安全教室

各教員が経営参画意識を持ち、組織的に活動することが、チーム学校として大切である。さらに、個々の教員の力量をつけ、学級経営力等を高めることも重要である。まさに車の両輪である。それは、教員に学校への参画意識を持たせるのと同様に、児童も学級への参画意識が必要だからである。そのためには、1単位時間の授業観察とともに、日々の校内巡視の際の授業観察も大切にしたい。1単位時間の授業観察は、以前記したように自己申告の際に生かしていきたい。日々の授業観察では、その時点の学級経営の様子や授業の内容と質等に重きを置いてみる。

教室の戸を開けた瞬間、学級の雰囲気が感じ取れる。温かい空気もあれば、氷のように冷たい空気が流れてくることもある。担任は気付かないであろうが、学級内に担任が醸し出しているものである。児童の居場所である教室は、意欲的で温かい児童の居場所であってほしい。

ある教室に入り、何気なく児童を私が褒めると全員が私を見たことがあった。この学級の児童が担任から褒められていないことが感じ取れた。そのようなときは、集団全体が意欲を持てるよう、児童に話しながら、担任にも感じ取れるよう配慮しながら指導した。

集団行動が取れない学級は、担任が注意しても言いっ放しになっていて徹底していない場合が多い。教室移動の際、係を先頭にして整列させる際の注意点を児童に話し、できたら褒め、できるまで根気よく付き合った。児童ができるのにやらないのは、児童にとって不幸である。若い教員などの場合には、児童に直接指導して、指導前と指導後の変容ぶりを見て学ばせるようにした。わずかな言葉掛けであっても、児童が変わる、そのことに気付いてほしいからである。

時々”若手”で他の優秀な先輩教員から学んでほしいのだが、自分はできると勘違いをしている教員がいる。その教員は、今の自分に満足してしまっているのだろう。授業の底の浅さに気付いてほしい。

目の前の児童を観察し感じ取る感性と想像力が必要であるとともに、授業を児童とともにつくっていく力が必要である。

自分の力をつけながら、学級集団や児童に合う授業をつくっていく必要がある。授業は水もの、教師と児童のコラボレーションである。教員は常に学び続けなければならない。自ら学びをやめてしまっては、退化するのみである。学び続ける教師を育てていきたいものである。

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