【連載】クオリティ・スクールを目指す 第93回 オリパラ教育への期待

教育創造研究センター所長 髙階玲治

 

スポーツと国際性への関心を

「千葉教育」(千葉県総合教育センターの情報誌)の梅(12・1月)号はオリンピック・パラリンピック(オリパラ)教育の特集である。

2020年に実施されるオリパラは、子供のスポーツや国際理解等への関心を高める絶好の機会である。特に開催地の東京都は多様なオリパラ教育を既に実施しているが、文科省も有識者会議が昨年7月21日に「オリンピック・パラリンピック教育の推進に向けて」の最終報告を行っている。

オリパラは国際的なスポーツの祭典として子供たちを観客席に置くのはつまらない。興味と関心が高まることは必須だから、何らかの形で学習に参加する方策を考えたい。それはかなり多様に見つかるはずである。

何よりもオリパラ精神や技能についての感動がある。多様な国々への関心もある。またオリパラを実施するまでの経過の中でのさまざまな課題の克服過程を学ぶこともできる。

そのような多様な課題について子供が興味や関心に基づき学年相応に課題を見いだし、学習し、オリパラの意義や具体的な内実に迫ることができれば、奥の深い学習が成立する。それは心の中に生涯の思い出としても確かに残るだけでなく、仲間との豊かな共通体験としても意義深いものになりうる。大切なのは、子供主体の学習であるから、それぞれの学校や学年・学級で工夫して創意ある活動を可能にすることである。

有識者会議はオリパラ教育について、2つの学びがあるとしている。(1)オリパラについての学び(2)オリパラを通じての学び——である。(1)は、例えばオリパラに関する知識(歴史、競技種目、アスリートのパフォーマンスや努力のすごさ、オリンピック精神、用具の工夫、開発やクラス分け等の特性等)の他、選手の体験・エピソードなどである。(2)は、スポーツの価値や効果、チャレンジを尊ぶ態度、ルールの尊重やフェアプレーなどがある。

さらに国際社会の状況や現代的な課題、バリアフリーやボランティア、国際平和や貧困、人権等、学習対象は多様にあるとする。

このような学びの取り組みでは当然、学校のみでなく、県教委や地教委の働き掛けも必要だ。「千葉教育」には、県教委のスポーツ課と松戸市教委の取り組み内容が載っている。県教委はJOCオリンピック教室として、今年度に6つの中学校を選んでいる。松戸市は「夢の教室」として現役スポーツ選手の出前授業を行ったり、トップアスリートと地域プロスポーツ選手との交流、パラスポーツへの理解を深める展開を行っている。

オリパラ教育は今後、さらに充実するであろうが、学習の取り組みは各学校で実施可能であって、スポーツのみでなく国際的な視野を含んだ学習が盛んになることを期待したい。