【連載】目指せ管理職 選考試験を突破しようⅢ 第31回 中学・高校の部活動充実

休養日設定などで適切な運営に
○2020年東京五輪の夢舞台を目指す

年末年始のスポーツ欄は、高校駅伝やサッカー、バレーボール、卓球などの選手たちが2020年東京オリンピック・パラリンピックを目指し、全力を出し切って躍動している記事で満載だった。

社会面では、父が監督、息子が選手の関係を取り上げていた。「チームを率いて22年になる監督、歓喜の瞬間、仲間と父である監督を3回胴上げした。春からは、父が指導の基礎を学んだ大学へ進学する。いつか指導者としてお父さんと対戦して勝てたら、最高の親孝行」と胸を張って自分の夢を語っていた。

吹雪の都大路で行われた全国都道府県対抗女子駅伝では、16歳の高校1年生が11人抜きで実業団選手を抑えて区間賞。楽しみな16歳と絶賛された。

若い世代の活躍に接すと、中学・高校の運動部活動が気になる。

○部活動の「適正化」を求める

部活動を重視することは大切である。学年を超えた部活動は、生徒の個性を伸ばし、コミュニケーション能力や社会性を育てる貴重な場である。

しかし、物事には限度があり、部活動の「適正化」を求める声は重い負担を訴える教員だけでなく、保護者の中にもある。ある母親は、「平日、週末ともほとんど休養日なし。学習も家事の手伝いもできず、食事して寝るだけ」と嘆き、「練習参加が試合の出場につながるといわれると、高校受験への影響も心配になる。土日のどちらかと平日1日を強制的に休みにすると、学校が責任を持って決めてほしい」と訴える。「大会の数は多すぎないか。内申書・調査書に競技成績が記されるというプレッシャーから、やむにやまれず部活動に参加している実態はないか」とも。

多感な時期の中学生・高校生に、勉強や文化部や運動部活動以外にも大きな世界があるのを示し、興味・知識や関心を大きく広げる後押しも、教育の大切な役割である。

[参考]学習指導要領の第1章総則

生徒の自主的、自発的な参加により行われる部活動については、スポーツや文化及び科学等に親しませ、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等に資するものであり、学校教育の一環として、教育課程との関連が図れるように留意すること、その際、地域や学校の実態に応じ、地域の人々の協力、社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携などの運営上の工夫を行うようにすること。
(中学校学習指導要領 第1章総則 第4の2(13))

○教職員に部活動の趣旨を徹底させる

校長・副校長(教頭)は、教育課程外の活動ではあるが、学校教育活動の一環としての部活動は大きな意義と役割を果たしていることを教職員に周知し、限られた時間であっても指導の充実に努めるよう指導を徹底したい。

運動部活動顧問を務める教員の中には、担当する部の競技経験がなく、指導力が不十分な教員もいる。このような場合は、地域スポーツと学校スポーツを一体化していくのも必要である。また社会教育施設や社会教育関係団体等の各種団体との連携など運営上の工夫を図り、学校として、全教職員で積極的に部活動指導の充実に努めることが大切である。

なお、土・日曜日に教職員が学校の計画に基づき部活動指導をしたり、対外試合や大会の引率をしたりする場合は代休の措置はないが、特殊勤務手当が支給され、万が一の事故についても公務災害が適用される。ただし、あくまでも部活動は、教育課程外の学校教育活動であり、生徒の部活動への全員参加を義務付けたり、教職員の勤務に影響を及ぼしたりするものではない。

○校長・副校長(教頭)の喫緊の課題

特に中学校の運動部顧問の場合、午前7時以前に出勤する教諭は15%、午後9時以降に退勤する教諭が22%。「生徒のために」という教員の善意が長時間労働をもたらしている。私生活を犠牲にし、授業準備や教材研究、自分の学ぶための時間がないため、結局は指導力の低下につながる。

中学・高校の部活を充実させるために、校長は、教職員、生徒、保護者がそれぞれの思いや考えをぶつけ合う場を設け、問題意識を共有することが重要である。

それと同時に、校長は、学校の決まりとして部活動休養日を設定して運動部活動の適切な運営を図り、部活動指導での教員の負担を大胆に減らしていくことが喫緊の課題である。

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