【連載】カリキュラム・マネジメントとチーム学校の連動 第12回 トップダウン・マネジメント

高知県教育センター若年教員研修アドバイザー 西留安雄

 

かつて課題の多い学校に勤務をしたことがある。年度の途中であったが、教職員に学校改革を実施する方針を伝えた。中心となった方針は、トップダウン・マネジメントだ。まず、教職員に、学校課題を挙げるように指示した。ワークショップで出された課題は、何と55項目にも及んだ。その課題を整理させ、校長自ら方策を提示した。教職員全員で方策を練ることも考えたが、それでは学校は動かないと判断し、自ら「これでやろう」という方策を示した。

校長の方針に異論を唱える教職員もいた。だが、事の重要性を認識していたので、方針は変えなかった。校長のトップダウンで進めたことで学校改革は一気に進んだ。教職員が学校経営に参画するためには、校長の方針の下、アイデアを出したり、プロジェクト部会を設置し施策を作成したりするなどの方法が望ましい。だが、長い年月を経て作り上げられた「みんなで進める学校風土」では、遅々として学校改革は進まない。校長のトップダウン・マネジメントは、学校改革を促す大きな手段の一つではないだろうか。

学校改革を進めていく上で、予想もしていなかったことを学校外から指摘されることがあった。気分が滅入ることもたくさん経験した。そのとき支えてくれたのは、全教職員であった。学校改革を進めたことが教職員の経営参画となり、一枚岩になることにつながっていたからだ。

校長としての覚悟を持つとよい。学校経営を行う上で周囲への目配り、気配りに心掛けることも大事だ。だが、そうしたことが過剰であってはならない。人間関係を重視するだけでは、学校改革は進まないからだ。周囲には理解されないかもしれないが、長い年月が過ぎて評価される学校改革もある。私自身の経験から言えることだ。覚悟を持って事に当たるとよい。

校長の授業論や経営方針から学んだという教職員の中から、経営参画意識が高まる場合もある。なぜ校長になるのか、なったのかを考えると、専門的な指導方法を身に付ける必要性に行き着く。立場だけで教職員を指導しても、時間が経てば誰もついてこない。

教職員の経営参画は、校長の学び続ける姿勢から生まれる。

(おわり)