【連載】校長を目指す教師のために 第12回 生徒こそ学校改善の主体者

講話などで自律と協働を問い続けた
講話などで自律と協働を問い続けた

東京都千代田区麹町中学校長 工藤勇一

 

約半年間、この連載では、麹町中学校に赴任してから今日までの約3年間にわたる学校改善とその考え方についてつづってきた。最終回は今後の進むべき理想像を述べてまとめとしたい。

3年前に始めた学校運営上の改善の洗い出し作業は、この連載中も確実に増え続け、3年間の総計は500項目目前となった。施設環境やカリキュラムの質、その配列、指導の質、組織運営の効率化、生徒会の組織と運営の質、PTAの協力体制など、大小さまざまな課題を一つひとつ吟味し、できることから迅速に改善してきた。

この3年間、私はリーダーとして次のようなことを心掛けてきたつもりだ。

ビジョンを示し、共通の目的を確認し合い、目的を実現するための手段を改善する。実行に当たっては、一人ひとりの創意工夫が生かせる自由と責任を明確に与え、可能な限り大勢の人を巻き込みながら、組織的に決定しルーティン化していく。

教職員の意識は確実に変化してきた。1月の職員会議では、学校評価を踏まえた次年度の改善策が各分掌から計50以上提案された。それら提案の課題把握とその解決策の的確さに、私も感心させられた。一人ひとりが自律して動き始めている。そして、それぞれが学校運営を担い、経営に参画している実感を持ち始めているように思う。

今年度、当校はコミュニティ・スクールとして新たなスタートを切った。その主たるねらいは、もちろん学校をよりよく改善していくことにあるが、真のねらいは、教職員だけでなく、保護者も含め、全ての関係者が主体者と変わり、自律していくことだと私は考えている。

先日開かれた1月の学校運営協議会では、生徒を初めて参加させる試みを行った。生徒たちは、自らが学校の状況を語り、課題を挙げ、自分たちが考えた解決策を述べ、委員の大人たちとディスカッションを交わした。非常に有意義な時間となった。大人たちも刺激を受け、PTAの立場からも今後、親としてできる学校評価を行うアイデアも出た。

ここ麹町中に関わる全ての人たちが主体者として関わることができる。私はそんな学校を目指し続けたい。校長が替わっても教員が替わっても、それを維持できる学校づくりを。

(おわり)

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