【連載】多様な先生に学ぶ 学外人材活用と体制 1 開かれた学校運営の橋渡し役に

NPO法人スカイ学校支援ネットワークセンター理事長 森本芳男

 

現在、教育に関わるすべての人にとって、変化の激しいこれからの社会を生きていく子供たちに「生きる力」を育むという理念のもとに、知識や技能の習得とともに、思考力・判断力・表現力などを身に付けることが重要となっている。

この「生きる力」を育むためには、各学校は、地域の人的・物的資源の活用や社会教育との連携により「社会に開かれた教育課程」の実現を図ることが求められている。

しかし、多くの地域・企業等の方々が、学校や子供たちの教育に貢献するのを願う一方、その教育力を学校現場に提供するノウハウが少なく、学校教育に生かすのは容易ではない。また学校においても、日々の多様な業務があり、独自に外部人材を活用するのは難しい状況である。

東京都墨田区では、この課題を解決するために、平成21年度から教育委員会事務局すみだ教育研究所に「学校支援ネットワーク事業」をスタートさせた。平成27年度からは、NPO法人スカイ学校支援ネットワークセンターに、一部の事業が委託されている。

ネットワーク本部は、学校のニーズに応えるべく、多くの地域・企業等の方々と交流・折衝しながら協働して子供たちに有益な多種多様な出前授業メニューを制作し、組織的・計画的に広報・周知するなど、学校と地域・企業等との橋渡しを行ってきた。

その結果、開かれた学校運営が進み、子供たちは、教員以外の多くの方々にも見守られながら新たな学びを体験し、学ぶ楽しさや気づき・発見などの喜びの機会を得るなど、有益な教育活動が展開されている。

地域・企業等の方は、学校で授業を行うことで活動の場が広がり、自らの教育力を高め、地域ぐるみで子育てを行うことにも役立ててきた。

墨田区学校支援ネットワーク事業の特色ある内容・システムが教育活動に有効に活用される中で、支援者・協力ボランティアの輪も広がり、発足8年目の平成28年度には、出前授業メニュー数304、協力ボランティア数289、授業実績数延べ355校、受講した児童生徒数は延べ2万7455人と飛躍的に拡大し、高い評価が得られている。

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