【連載】目指せ管理職 選考試験を突破しようⅢ 第34回 新年度に向けて

道徳科や外国語
○改訂の方向性をつかむ

次期学習指導要領の改訂案が公表され、グローバル化の進展、科学技術の発展が一層加速化される中での「未来の創り手を育てる」ための方向性が示された。各学校現場には、改訂案の基本的な方向性の理解とより実効性のある移行期の取り組みが求められている。

ここでは、新たな教科としてすでに前倒しで導入移行が進められている「特別の教科 道徳」(道徳科)と、小学校高学年で教科となる「外国語」の取り組みについて、考えてみたい。

○道徳教科化の意味を理解する

昭和33年改訂の学習指導要領で、小・中学校に「道徳の時間」が示され、この道徳の授業が学校における道徳教育の要として実施されてきた。しかし、各教科に比べて、確実な指導実践が定着せず、道徳的実践力不足が課題となってきた。また、度重なる「いじめ」問題が深刻化し、道徳教育の大切さが一層クローズアップされるようになった。

このような状況を踏まえ、道徳教育の実質化およびその質的転換を図るため、文部科学省は平成27年3月に、これまでの「道徳の時間」を「特別の教科 道徳」(道徳科)と位置付けるための学習指導要領等の一部改正を行い、小学校は平成30年度から、中学校は31年度から全面実施とし、これに向けて検定教科書の作成が進められている。あわせて、評価については、文章による評定を用いることとした。また授業の進め方については、「考え、議論する」授業を中心に、問題解決や体験的な学習などを多く取り入れるようにし、「自我関与」や「実感を伴う理解」を通して、道徳的な価値を実現するための実践的な資質・能力を養うのを目指すこととし、学校ごとの積極的な移行を可能とした。

○小学校5・6年生「外国語」スタートの背景を理解する

2020年の東京五輪開催の決定を機に、グローバル化・国際化に向けて、小学校から外国語教育(英語)を教科として導入するとともに、中学・高校の外国語教育(英語)の在り方を大きく改めることが示された。特に小学校での教科化には、実施に伴い、大きく2つの課題がある。

1つは、これまで取り組んできた外国語活動とは異なり、外国語指導助手(ALT)や外部人材の活用はするものの、学級担任主導による授業が必要不可欠となる。英語教育推進リーダーの加配や英語の専科教員の全校配置が難しい現状では、早急に学級担任の英語指導力の向上を図らなければならない。

2つ目は、指導時間の確保の問題である。モジュール等を取り入れた1単位時間の取り組みなどが、多くの先行研究校で報告され、これまでとは違った形態の中での指導環境づくりが求められている。

小・中・高校の新たな英語教育の系統性や確実な英語力アップを目指した指導計画づくりを進める中で、とりわけ小学校の教職員には、これまでの「文法・文型ありきの英語から、コミュニケーションツールとしての英語指導である」との教職員自身の意識改革が求められている。

○教科への取り組みは、校内体制の確立から

管理職は、教職員が不安を持たず自信を持って授業に臨める体制づくりやより実効性のある校内研修会の充実、自校独自の指導計画づくりや指導教材の整備、英語ルーム等を含めた教育環境整備を、移行期間に確実にそして着実に進めていかなければならない。中教審の最終答申をしっかりと捉えながら、先進校の実践研究の情報を積極的に取得し、自校の実態や自校の体制にあったものを積極的に取り入れていくことが必要不可欠である。

このような一連の動きに対しての自校の取り組みやその実際について、積極的に情報発信していくことが、保護者等の不安を解消する意味においても、地域からの外部人材を活用する上でも大切である。

学校現場は、常に待ったなしの状況である。教員養成課程や採用の要件、免許法等の制度的な体制整備および人的な加配等は、国および教育委員会の対応に任せるものの、道徳教育の質的な転換と授業実践、グローバル化・国際化に対応した英語教育改革実施計画に沿った「外国科」全面実施に向けての準備・実施が急務といえる。

管理職は、自らも新しい改革に立ち向かう気概を持ち、指導力を発揮し、教員の意識改革を図りながら、「チーム学校」としての考え方も踏まえつつ、新学習指導要領の全面実施に向けて、校内体制の確立に向けて、全力で取り組んでいかなければならない。

関連記事