【連載】多様な先生に学ぶ 学外人材活用と体制 2 特色あるシステムで学校支援

NPO法人スカイ学校支援ネットワークセンター理事長 森本芳男

 

平成20年度に文部科学省が提案した学校支援地域本部事業は、学校・家庭・地域が一体となって地域ぐるみで子供を育てる体制を整えることを目的とした、素晴らしいものだと思う。その事業を積極的に活用した東京都墨田区の特色ある実践は数年間で飛躍的に拡大し、高い評価が得られている。

そのポイントは、学校支援地域本部事業の事務局を、各学校ではなく、教育委員会に置くとともに、支援内容を教育活動に特化した点だ。全ての学校に組織的・計画的・継続的な学校支援事業を一括的に展開しているのも意義深い。

(1)支援内容を教育活動に特化

学校を応援する地域の各団体などからは、活動領域を侵さず互いに協力し合える事業として歓迎されて地域との連携が進んだ。

(2)組織的・計画的・継続的な展開

地域本部を学校教育に関連深い教育研究所に設置し、教育職(元校長)に担当を委嘱した。その結果、学校教育の支援に重点を置いた活動が展開されている。

小・中学校校長会に事業担当校長を委嘱するとともに、各学校の校内分掌にも「担当教員」を位置づける中で、連絡や調整などの役割が明確になり、事業が浸透した。

地域コーディネータは、教育委員会専属として元PTA役員に委嘱し、どの学校にも公平に支援できるようにした。

(3)主となる支援内容は学習指導要領に対応した出前授業

提供される出前授業のプログラムを学習指導要領の「ねらい」「内容」「方法」などに合わせて監修したため、外部人材の授業がしやすくなり、学校での活用も進んだ。

学習指導要領改訂を踏まえた教育内容の主な改善事項を言語、理数、道徳、キャリアなどと具体的に例示、分類した。これで学校が活用しやすくなり、教育内容の充実や改善に役立っている。

(4)活動の効率性・有効性

外部人材にとっては、各学校へ出向き、出前授業の広報や交渉をしないですむ。学校にとっては、一斉に提供されるプログラムの中から、自校に必要な出前授業を実施するのが容易になった。

(5)特色ある学校経営

学校は切磋琢磨し「特色ある教育」を進める努力をしている。そのために、各校が独自に開発した実践は他の学校に広まりにくく、広めるのを好まない傾向がある。

さらに、多くの校長は、自ら考えた新たな構想で学校経営を行うのを願っている。そのため、前校長や前地域コーディネータが立案した従来の実践が踏襲されない場合もある。

このような状況が緩和されて、外部人材などの活用が進んだ。