【連載】学校経営“旬”の課題「教職研修」岡本編集長の3分解説 第10回 学習指導要領と働き方改革

「働き方改革」が喧伝されています。日本の生産年齢人口が減少し、人手不足が深刻化する中、長時間労働を当然視する労働慣行を改め、国全体で生産性を高めなければならないのは自明です。

翻って学校現場。

「多忙」の問題は、国の調査や国際調査で数字として示され、事の重大さが認識されることとなりました。

また近年では、教員にとっても子供にとっても負担の大きい「部活動問題」が一部で問題視されています。

しかし、「だからこうしよう」という「多忙改善策」にはつながっていないのが現状です。

なぜ、具体的な改善につながらないのか——学校に、子供の問題全般の責任・役割を負わせようとする社会の風潮もあるでしょう。

また学校に目を向ければ、(1)長時間労働が子供のためであると思い込んでいる(込まされている?)ことや、(2)働き方を改善しようとせず、ともかく前例踏襲で何事も変えようとしない意識があることも考えられます。

学校の「常識」は、そのとおりにこなすのが当然であり、必要に応じて変えてもいい、変えなければならないとは、受け止められていなかったのではないでしょうか。

「子供と過ごす時間の確保」などは、国に言われるまでもなく、個々の先生方が切実に求めていることです。

ではそのために、国に何かをしてもらうのではなく、個々の先生で何ができるか、どう変えられるかまでは、考えの埒外にあったといえます。

先日示された次期の学習指導要領案においては、小学校外国語科はもちろん、「主体的・対話的で深い学び」という非常に大きな労力を要する指導が求められています。

この新しい学習指導要領に、学校が現状の働き方のままで取り組むことは不可能です。「学習指導要領」と「働き方改革」をセットで捉え、双方を同時に推し進めなければなりません。

これから教員定数の劇的な改善は望めないなかで、特に学校管理職には、お上頼みではなく、「働き方改革」が求められているという意識を学校全体で共有しつつ、「改善は当たり前」という風土を醸成していくことが必要となります。

【岡本淳之】

【『教職研修』4月号のヘッドライン】巻頭は河合純一氏(全盲の元パラリンピアンにして元公立中学校教員)。「東京パラリンピックで教育を、日本を変えよう」。特集1「『やめる』『減らす』『変える』で始める校務改善」。特集2「なぜ、日本の子供の『学習意欲』は低いままなのか?」。

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