【連載】多様な先生に学ぶ 学外人材活用と体制 4 「生きる力」を語ってもらう

NPO法人スカイ学校支援ネットワークセンター理事長 森本芳男

 

地域や企業の方に「出前授業」を実施してもらう際には、次のようなねらいの説明と依頼をしている。

授業のねらいは、▽子供たちに夢や希望・目標を持たせる▽大人の魅力、活力、素晴らしさなどを教える▽課題の発見や解決に向けた主体的、協働的な学びを体験させる――というもの。

話の内容は、講師の仕事や趣味、日々の活動などの人生経験で培ってきた知識、技能、キャリアや社会で必要な「生きる力」としての気力、体力、学力、人間力、社会性などである。人と仲良くすることや働くこと、ボランティア活動、昔語り、国際理解、環境問題、地域の産業などの話題になる。

事前の打ち合わせでは、担当の講師が学校の教師と話し合いを深める。教師の期待、目的、内容、方法、学校や子供たちの実態、使用機器や教室などについて、十分に相互理解する。

一単位時間で小学校は45分、中学校は50分で話を組み立てる。教師から講師紹介を行い、今の仕事や成功談、失敗談、趣味や特技、最近の話題などについて自己紹介してもらう。本題を15分程度話したら、質問や実技、話し合い活動などの場面変化を工夫する。まとめでは、今日学んだ点や感想を話し合い、教師からの一言なども投げ掛けてもらう。

魅力ある講話のポイント10か条を挙げたい。

(1)はじめの第一声は特に重要。大きくて迫力のある声を大切にする。

(2)専門用語は避け、できるだけやさしい言葉で話す。

(3)座って話すのではなく、時々子供たちの中に入り、反応をみる。

(4)黒板を有効に活用する。講師の名前やキーワードを記し、子供は書き写す中で記憶する。

(5)話だけでなくクイズやゲーム、実技や実験、作業、話し合い活動を取り入れる。

(6)小道具(実物、映像、衣装)などを活用して印象に残る工夫を図る。

(7)子供たちや学校の話題を入れる。良い点をを探してほめる。

(8)子供たちの発言を引き出して参加させる。

(9)担任の先生と連携を密にして、先生の出番を演出する。

(10)失敗談は良いが、「学生時代にこんな悪さをした」という事例は避ける。

教師との役割分担で配慮する点では、授業の責任者は教師であり、外部講師はゲストだというスタンスを重視したい。さらに、教師と役割を分担しながら絶妙のコンビネーションある授業を生み出す点や授業進行のサポートと子供たちの掌握は、教師に遠慮なく依頼するなども押さえたい。

出前授業は、教師にとっても素晴らしい生きた教材だ。同授業の提案や問い合わせは、スカイ学校支援ネットワークセンター(TEL03―5608―1303)。

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